【本要約】人間が知らない生き方
2021/10/9

人間の生き方
つまり、人間よりよっぽど賢いのである。
チャールズダーウィン
私たち人類の生き方は、他の生き物に比べて、不規則である。
私たちは、知らない。
生き物たちが、どのように生きてきたか。
そして、私たちはどう生きればよいのか。
ペンギン
(世の中を変えるのは、出る杭である)
未知の領域や新しいビジネスに挑戦する人は、ファーストペンギンと呼ばれる。出る杭は打たれる。しかし、時代を切り開くのは、いつだって、先頭を行く者である。
ライオン
ライオンは狩りが得意ではない。狩りの成功率は20%程度しかない。約80%は狩ることができない、でも、あきらめない、狩りを諦めたら、群れが餓死してしまう。
人生にとっての失敗は、命を失うことである。それ以外の失敗はどうとでもなる。真剣に挑戦していれば、うまくいかない原因も、うまくいく方法もわかる。成功するまで続ければ、失敗という言葉は存在しない。
パンダ
パンダの絶滅の危機
①異性に対して厳しい選り好みがある。
動物界では、オス同士の戦いの勝者が、メスと後尾するが、パンダの場合には、戦いに勝ったオスも、メスが気に入れなければ、拒絶される。
②主食は笹である。
パンダはクマ科なので、その消化器は、典型的な肉食獣のモノである。
200万年もの間、パンダは笹を食べ続けているが、消化器は未だに草食に対応していない。
そのため、食べた笹のほとんどは、そのまま排出される。
しかも、笹は十数年に一度、一斉に花を咲かせて枯れるという特製を持つ。
パンダは木に登るのは得意だが、降りるのは苦手でよく落ちる。
ミツバチ
幼虫の世話、巣の修理・保持・護衛、餌 ( はちみつ ) 集めなどの仕事を分担して行う。
- 餌係のミツバチは、巣の中にいる貯蔵係のミツバチに蜜を渡す。
- 餌係のミツバチと比べて、貯蔵係のミツバチは少ないので、蜜を渡す順番待ちが発生する。
- 貯蔵係のミツバチは、餌係のミツバチの到着順ではなく、蜜の品質で優先度を決める。
- 品質の悪い蜜しか集められないミツバチは、自分の番が来るのを待ち続ける。
しかし、品質のよい蜜を集めるミツバチは、その仕事ぶりから次々に仕事を任されるので、寿命が極端に短い。
ラーテル
( 弱者が身の程を考えずに強者に立ち向かう )
- ラーテルは、世界一怖いもの知らずな動物として、ギネスブックに登録されている。
- ラーテルは、イタチ科に属する小型哺乳類で、猫を一回りくらい大きくしたサイズである。
ラーテルは、ライオンに立ち向かい、捕食を諦めさせるだけでなく、ラーテル自らライオンに襲いかかり、餌を横取りすることもある。また、毒性の巨大なコブラを捕食することもある。
その強気な性格で、群れをなすこともなく、単独で行動する。それは、「孤独なるゆえの何にも負けない」という強い信念が、生存戦略である。一方で、ミツオシエという鳥と、別種の動物と協力するという、しなやかさも、持ち合わせている ( 相利共生 )。
ナマケモノ
- ナマケモノは、睡眠時間1日最長20時間である。
- トップスピードは、人間の赤ちゃんのハイハイにも劣る。
- 食事は1日、葉っぱ8gだが、消化に16日程度かかるため、お腹いっぱいなのに餓死することがある。
そして、葉っぱから、栄養吸収率は、半分しかない。8g中4gはそのまま排出されている計算だ。 - 天敵はワシである。
【ワシを目にしたときの行動パターン】
①先にワシを見つけた場合
木にしがみついていた手をパッと離して地面に落ちる。その際に、骨折することも多々ある。
②ワシに見つけられてしまった場合
早々に諦め、せめて痛くされないように、全身の力を抜く。長い爪で戦おうなどとはしない。動きすぎると体温が上がりすぎて死ぬ。
それでも、ナマケモノは、絶滅することなく種として生き残っている。
ナマケモノの生存戦略は、できるだけ何もしない。
一方で、ナマケモノは、排便排尿の際は、木を降り、穴を掘って排泄し、落ち葉をかぶせる行儀のよさを見せる。当然、このとき、捕食者である肉食動物に狙われる可能性が高まる。
ナマケモノのこの一見、不可解な行動が最近明らかになった。ナマケモノの住む熱帯雨林の土壌は、栄養が乏しく、木が育ちにくい。土壌が痩せて、一度失われた森林は、砂漠化してしまう。ナマケモノの地面に埋める排泄物は、土壌の栄養になる。ナマケモノは、生命をかけて、自分の、自分の子孫の環境を保全している。
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