【本要約】まんがでやさしくわかるアンガーマネジメント

【本要約】まんがでやさしくわかるアンガーマネジメント

2022/2/9

怒りとは?

アンガーマネジメントとは「 怒り 」とうまく付き合うための心理トレーニングである。
考え方やスキルを身に付けることができれば、「 怒り 」に振り回されることもなく、自分や相手を責めることもなく、心身共に健やかに生きることができる。

・怒りは、私たち人間にとっては自然な感情である。
怒りは、行動を起こすモチベーションとなるので、うまく付き合うことが重要だ。
自分の感情と行動は自分で選ぶことができる。

人間は、心と身体の安心・安全が脅かされそうになったときに、怒りが生まれ、その怒りをもって身を守ろうとする。
①「 怒り 」は「 嬉しい 」「 楽しい 」といった他の感情と比べると扱い辛いため、ネガティブな印象が強い。
② ネガティブな印象のある「 怒り 」は、その感情自体は悪いモノではない。
そもそも、感情に、良い・悪いというラベルを付けること自体が、不自然だ。
③ 大切なのは「 怒り 」に振り回されず、上手く付き合うことだ。
怒っている自分を否定せず、受け入れることから始める。

■怒りの性質4つ

  1. 怒りは、高いところから低いところへ流れる。
    力の強い所から弱い所へと流れる。
  2. 怒りは、他人へ伝染する。
    情動感染といって、喜怒哀楽の感情は周囲に伝染する。
  3. 怒りは、身近な対象ほど強くなる。
    ・長く一緒にいる身近な相手ほど「 コントロールできるはず 」という思い込みがある。
    ・よくわかっている相手だからこそ、相手への期待値も高くなり、甘えも生じる。
    ・身近な相手にこそ、わかってもらえない、言わなくてならない、思い通りにならない。
    身近な相手は、甘えと期待が育ち「 自分が思う通りの行動をしてくれるはず 」と思い込んでしまう、その思い込みの強さが怒りを増幅させる。
  4. 怒りは、行動を起こすモチベーションになる。
    怒りの強いエネルギーを建設的な方向へ向け、行動に変える。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングのことで、当初は、ドメスティックバイオレンスに対する強制プログラムとして確立された。現在では、企業や教育機関にも取り入れられている。

アンガーマネジメントとは、怒りを後悔しないことと定義付ける。怒っていけないのではなく、怒る必要なときに適切な怒り方ができ、怒らなくてもいいことには怒らないで済むようになれることを目指す。

【 アンガーマネジメントへの取り組み 】
1. 怒りのメカニズムを知る。
2. 怒りをコントロールする方法を知る。
3. 怒りを上手に伝える方法を学ぶ。

仕事上では、タテの関係をヨコの関係として、対等に付き合う。

怒りのメカニズム

怒りは、2次感情と言われていて、怒りの裏に潜む感情がある。

怒りとは、相手に「 こうあって欲しい 」という期待を裏切られた時に生まれる感情である。

本来「 わかって欲しい 」という気持ちが根っこにある。

【 1次感情 】
・不安
・辛い
・寂しい
・苦しい
・痛い
・困った
・嫌だ
・疲れた
・悲しい
・恥ずかしい

怒り自体がとても強い感情であるために、そこに潜む1次感情には、なかなか気付くことができない。自分も気付かないうちに、怒りに姿を変えてしまう。

怒りを感じたとき
・いったいそれが、何に対しての怒りなのか?
・裏側にはどのような気持ちが潜んでいるのか?
・わかって欲しい気持ちは何なのか?
に目を向ける。

イライラしたときには「 心の中に、どんな1次感情が潜んでいるのか 」を考えることが必要だ。

■アンガーマネジメントの3つのルール
①「〜すべき」という自分の期待や願望が裏切られたときに生まれる。
② 人生経験の中で身に付いた「 べき 」、育った家庭のしつけで形作られた「 べき 」
③ それは自分の価値観に基づいた常識であって、すべての人にとっての共通の常識ではない。
怒りの原因は、自分の譲れない価値観・信条である。

自分の中で予め境界線を決めておく、3つのゾーン
① OKゾーン
② 許容ゾーン
③ NGゾーン
自分の許容ゾーンを明確することで、怒りをマネジメントできるようになる。

身近な人には、境界線を、相手に、具体的に伝えることも重要である。

抽象的な表現は、相手と自分で基準が異なる。
・ちゃんと
・丁寧に
・きちんと
・しっかり
・いつも
・みんな
具体的に、数字を用いて伝える。

共生・共存は、お互いの境界線を知ってコミュニケーションをする。

3つのゾーン、それぞれの範囲は、常に一定ではなく、状況次第で自然と大きさが変化している。この境界線のゆらぎを安定させることが大切である。自分の機嫌や気分によって境界線を変える、許容範囲を変えてしまうと、相手が混乱をしてしまう。気まぐれで怒っていてはヒステリーである。

怒りをコントロールする方法

怒りのピークは6秒間
6秒間は反応してはいけない。

怒りはアレルギーに似ている。アレルギーの反応は、人それぞれ症状や程度も違う。とりあえずアレルギーを抑える方法と、じっくりとアレルギー体質を改善する方法がある。怒りの対処法も、短期的 ( すぐ効く ) と長期的 ( ジワジワ効く ) の2種類がある。短期的な対処法は、アレルギーの薬である、即効性があって、その場で症状が鎮まり、体を楽にする。

① 怒りを感じたら、点数化する。
怒りを感じたら、10点満点で点数を付ける。

0
→ 全く怒りを感じていない状態
1 〜 3
→ イラっとするが、すぐに忘れてしまう
4 〜 6
時間が経っても心がざわつく
7 〜 9
→ 頭に血が登るような強さ
10
→ 絶対に許せないと思う激しい怒り

② 深呼吸する

③ その場から席を外す

怒りを上手に伝える方法

できることとできないことを線引きする。
できないことは諦める。
・天気は変えられない。
・他人の価値観は変えられない。
・コントロールできない。
自分の対応は変えられる。

アンガーマネジメントは、自分の感情に責任を持つことが重要である。
・怒りの感情は、自分の中から生み出されたモノである。
・怒りを溜めずに相手に言いたいことを伝え、相手も自分も傷つけないことを目指す。

コミュニケーション

自分が気になっている、小さなことについての対処法は、素直に「 今度は〜して欲しい 」と伝える。相手は案外、無意識だったりする。自分に素直になって相手に向かい「 小さなことだけど、自分にとって大切な気になること 」を伝える。

■感情をうまく伝えられない人の5つの特徴

① 自分の感情を把握できていない
 自分の1次感情を瞑想する。
② 言いたいことを何でも言ってしまう
 相手に怒りをぶつけて打ち負かそうとはせず、わかってもらうことを目的とする。
 自分の当たり前に固執せず、ときには、聞き流してスルーする。
③ 怒りを他の人やことのせいにする
 どんな出来事も、どう受け止めるかは、自分次第である、自分の解釈次第である。
 人やことは変わらない、自分しか変われない。
④ 怒りを溜め込みある日突然爆発させてしまう
⑤ すべての人に好かれようとする

■コミュニケーションの自己表現タイプ

・攻撃的タイプ
 相手を抑えて自分の言いたいことに徹する。
・非主張的タイプ
 自分を抑えて相手を立てる。
・アサーティブ
 お互いの主張や立場を大切にする。

攻撃的タイプの特徴
自分が優位に立つために、解決に向けて相手と話し合うのではなく、相手をコントロールし、ねじ伏せる。コミュニケーションのゴールは勝つことであるから「 相手の意見が自分と違う 」とわかった瞬間から、スイッチが入ったように攻撃的になる。

・自分の言いたいことを一方的に言う
・威圧的・感情的な言い方をする
・相手の気持ちを無視して自分の要求を押し付ける
・理詰めで追い込む
・思い通りにならないと八つ当たりする

人は無意識に特定の行動パターンにハマり、繰り返すことが多い。怒りのパターンも例外ではない。意識してパターンを変えることで、行動自体を変えるトレーニングになる。

感情的になることと感情を伝えることは違う。

自分が感じていることや気持ちに向き合い、わかって欲しい気持ちを言葉にする。

「 何について怒りを感じたのか 」「 どうして欲しかったのか 」を把握する。

私は〇〇なので ( 感情 ) 、□□のことが ( 事実 ) 、イラついた。だから、△△して ( 対処法 ) 欲しい。

感情の伝え方:感情 → 事実 → 対処法

「 なぜ 」という理由・目的を、相手に理解できるよう伝える。

相手に意識と行動を変えて欲しいなら
「 何を、どのように 」変えて欲しいのか?
だけではなく
「 なぜ、何のために 」変えて欲しいのか?

「 社会人の常識 」「 会社の決まり」「 人として当たり前 」というのは、個人の価値観の域を出ない。

アンガーマネジメントは、自分の怒りを理解し、隣人をわかろうとする。怒るのではなく、相手にわかるように伝える。

怒りがコントロールできれば、自分が楽になる。

意見と人格

一方的に自分の正しさを主張するタイプの人は、一見強そうに見えるが、実は、自分の弱さを防御するために攻撃していることも多い。なぜなら、自分の意見に反対されることは、「 自分が認められていないこと 」であり、相手の意見を認めることは「 自分が相手より劣っていることを意味する 」と感じて、受け入れられない。攻撃という壁を作って自分の弱さを防御するしかない。

誰かから「 意見が違う 」と言われても、自分が否定されたわけではない。
意見と人格は別である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました