脳内麻薬~快楽物質ドーパミン
ドーパミン
食欲、性欲
アルコール、麻薬
ギャンブル、ゲーム、SNS
人は、大脳新皮質(=モノを考える脳)の進化の結果である。
モノを考える知的欲求と、本能的に、ラクをしたい生理的欲求が葛藤する時もある。
だから、本能に抵抗して、知的欲求を補完するためにドーパミンが出る。
ドーパミンは、脳へのご褒美である。
ご褒美のドーパミンだけを求める症状を ” 依存症 ” 、 ” 薬物中毒 “という。
楽しいことをしている
やる気が出た状態になっている
好奇心が働いている
新しい行動をはじめる
目的を達成した
他人に褒められた
他人に認められた
恋愛感情を持っている
セックスで興奮している
美味しいもを食べている
勉強や研究など、目に見えない報酬を地道に継続できるのは人間の特別な能力である。
→ドーパミン作用
習慣:努力とその結果もたらされるご褒美を覚える。
→ドーパミン作用
・アドレナリン~やる気
緊張、不安、集中、積極性をもたらし、ストレス耐性効果がある
・ドーパミン~快楽
喜び、意欲、快楽をもたらす
・セロトニン~調整
ノルアドレナリンとドーパミンの分泌を調整する
依存症
依存症の症状(国際的な依存症の診断基準)
- 対象への強烈な欲求強迫
- 禁断症状
- 対象量や時間をコントロール不可
- 対象へ量や頻度が増加
- 依存のため、仕事や娯楽を無視or制限
- 心や体に悪いことを知っていても継続
<依存症の種類>
物質
ニコチン、アルコール、薬物
プロセス
ギャンブル、セックス、ゲーム
人間関係
恋愛、カルト宗教、SNS
依存症は、脳自体の病気で、セロトニンの働きが弱く、バランスを崩している状態
アルコール依存症
ドーパミンの量を増やしたくなり、アルコールの量が増える。
これを続けることで、神経細胞自体が変化し、アルコール依存は永々的に脳に記録される。
アルコール依存症は、慢性、進行性
治療には、長期間の断面が必要で、回復しても一度の再飲酒ですぐに再発
アルコールは、脳のブレーキの働きを緩める。
- 発揚期
感情の抑制が不可 - 酩酊気
意識、運動をコントロールしている神経抑制 - 昏睡気
生命維持活動抑制
アルコールは、報酬系をじかに活性化する。
報酬系には、GABA神経というブレーキが掛かっているが、アルコールはGABA神経の働きを抑制する。
ニコチン依存症
ニコチンは、脳の様々な部位に影響を与える。
脳幹細様体
呼吸や循環などの生命維持
大脳辺縁系
情動
ぼんやりしている時にゆっくり吸うと、頭を活性化させ、イライラしている時に吸うと急速に気分が落ち着く。
ニコチンは報酬系を活性化させ、ドーパミンを放出させる働きも持つ。
体験と快楽が脳に 記意され、依存していく。
タバコの効果は喫軍開始後10秒で現れ、報酬系活性まで15秒である。
吸う(快感の発生) → 吐く(快感の喪失)
麻薬
植物
ケシ→アヘン→モルヒネ→ヘロイン
大麻→マリーナ
コカ→コカイン
マオウ→覚醒剤
化学合成
LSD、MDMA
報酬
報酬の種類
報酬によって、快楽ホルモンのドーパミンが分泌される。
- 生理的報酬~美味しい食事、セックス
食欲、睡眠欲、性欲など本能の欲求を満たす - 金銭的報酬~自分の生活のための仕事
お金を得る - 社会的報酬~ボランティア、寄付、愛情
承認、評価、信用、信頼、尊敬を得る
脳の同じ部位で、生理的報酬、金銭的報酬、社会的報酬の評価がされている
=脳にとっては、それぞれの報酬は交換可能な価値
生理的報酬:生理的欲求
金銭的報酬:安全の欲求
社会的報酬:社会的欲求、承認欲求
ビジネスと報酬
湯浅は、完全に、金銭的報酬である。
世の中みんなそうだろうって、勝手に思っていたのだが、自分が、様々な人をマネジメントする立場になって、知る。
人は、金銭的報酬のためだけに、労働しているわけはない。
- 安定のために働く人:大手で長期雇用
→安定的報酬のために働く - 金銭のために働く人:インセンティブ
→金銭的報酬 - 自由のために働く人:好きなことをしたい
→社会的報酬
収入
地位(キャリアアップ)
周囲の賞賛や感謝
ある実験によると
単純作業において金銭的報酬は優位に働くが、知的課題解決においては、社会的報酬が優位に働く。
自分の経済的状況を絶対的な物差しではなく、周囲との比較で決めている。
所得よりも、所得順位が、生活満足度に強く相関する。
社会的報酬
→社会的報酬
人は、社会的報酬で死ねるという事実。
行動に、大きな意義を持たせることにより、死をも恐れない存在へとなりうる。
ドーパミン恐るべし
社会的報酬は、個体よりも、種として生きるための本能でもある。
中野信子(著)
脳内麻薬
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