【ビジネスコンテスト】僕は君たちに武器を配りたい

【ビジネスコンテスト】僕は君たちに武器を配りたい

2020/10/20

本書にある『大学生のビジネスコンテスト』の内容があまりの秀逸だったので、その秀逸さを説明

大学生のビジネスコンテスト

世界でもっとも貴重となりつつあり、私たちが生きるうえで欠かせない資源はなんでしょうか。
石油でも、天然ガスでも、希少金属(レアメタル)でもありません。
それは「水」です。
海水や河川、大気中の雲や地下水など、地球上のすべての水資源のうち、淡水はわずか2.5%しか存在しません。
残りはほぼすべて、海水です。
さらに淡水のうち、人間が飲料や農業に使えるレベルできれいな水は、全体の0.01%しかありません。
そのためこの貴重な資源である水を巡って、近年では国同士の戦争すら起こっています。
しかもその水資源は、環境汚染や干ばつによって、年々どんどん少なくなっています。
現在の地球上では、アフリカやアジアなどの地域で12億人が水不足に苦しんでいます。
しかし2025年には、南北アメリカ大陸やヨーロッパ地域を含めて、25億人が水不足となることが確実視されています。
地下水など採できる水にも限界があり、これ以上新たに水源を開発するのも不可能な状態です。
つまり人類が未来にわたって、生きていくために必要不可欠な水を手に入れるためには、97.5%の海水を淡水化するしか方法がないのです。

問題提起
水の重要性を、数値を用いることで、より明確に表現する。
そして、水の問題による被害が、戦争、環境汚染と、いかに大きいかを説明する。
水不足がいかに深刻化していて、解決しなければいけない状況かを改めて、数値で表現する。

それでは、海水を淡水化するにはどうすればいいでしょうか。

1つ目は、沸騰させて蒸留する、という方法があります。
この方式のプラントは現在、サウジアラビアなどの燃料コストが低く、気温が高い地域で稼働しています。
しかし水の蒸留には多くのエネルギーを必要とします。
しかも化石燃料を使うことで大量のCO2が発生しますので、将来にわたって人類の未来を支える本命の技術とはなりえません。

2つ目の、本命となるであろう技術がフィルタリング(遮過)です。
水を濾過することで塩分を取り除くには、塩化ナトリウム分子を通さないほど小さな網目の細かさが必要となります。
現在、海水を濾過するプラントに使われている方法の主流は、高分子素材のポリマーを使う技術です。
ポリマーは網目の細かさ、という点では合格ですが、問題があります。
素材が丈夫でないため、何度か使ううちに交換や掃除をするコストがかかるのです。
また高い圧力で水を押し出さねばならないため、そのエネルギーコストも大きなものになります。
ポリマー以外にセラミックを素材とするフィルターもあります。
こちらは丈夫なため繰り返し使えますが、穴が十分に小さくできず、構造を複雑にする必要があり、そのコストが高くつきます。

既存の水不足の解決方法を複数提示し、それの問題点をあげる。
それは、コストの問題であったり、環境の問題であったり、技術の問題であったりする。
コストだけではなく、環境問題とセットにすることによって、より問題が深刻化している状況を説明する。
技術はあるがコストが問題となるという別の解決方法でも対応が難しいことを説明する。

ポリマーもセラミックも、世界規模の水不足を解決するには問題があります。
そこで私たちは、まったく新しい水の濾過技術を考案しました。
それは、金属の板に微細な穴を開けてフィルターとする技術です。

自分たちが編み出した解決手法を、端的に説明する。

この金属フィルターが生まれたきっかけは、まったく別の2つの技術の組み合わせでした。
まず金属板を酸化させることで、数十ミクロンの小さなくぼみを作ることに成功しました。
同時期に別の研究室で、全属に開いた穴を数ミクロンに小さくする技術を開発しました。
私たちはこの2つを組み合わせることで、眼に見えないほど小さな穴をたくさん金属板に開けて、従来の約半分のコストで海水を淡水化できるフィルターを開発したのです。

解決手法が編み出された経緯と、一番の問題点であるコストに対して、数値を用いて明確に説明する。

金属板はポリマーと違い劣化しませんので、長期にわたって交換する必要がありません。
セラミックフィルターより構造が簡単なので大量生産が可能となり、生産コストも抑えられます。
水にかける圧力も従来より30%少なくて済みますので、電気代が大幅に削減できます。

電気代というわかりやすい例を用いてその削減効果を数値で表している。

スペインで現在稼働する水処理のブラントにこの技術を導入したと仮定すると、試算の結果、10年間で約200億円のコストがカットできると予測できました。

実際のコストカットを試算することで、その解決手法の優位性を顕著にする。

2013年には水処理の市場は全世界で1兆円になると予想されています。
まず、電気代が高くマーケットが大きなアメリカ、ヨーロッパでこの技術を売っていきたいと考えています。

市場のサイズを数値を用いて説明し、その市場の中でも、どこにターゲティングするかも明確化する。

水不足に悩む人々は将来25億人。しかし今のままの技術で供給できるのは6億人分しかないと予測されています。
水不足をなくすことは、世界から戦争の原因をなくすことでもあります。
アフリカ、ヨーロッパ、アジア、それぞれの世界を生きる子どもたちに、未来にわたってきれいな水を十分使える社会を実現するために、この技術を広く世界に普及させていきたい。
私たちの提案に、ぜひご協力をお願いいたします。

最初に、問題提起した内容を再度持ち出すとともに、予測された数値でより明確に表現する。
戦争という大きな問題への解決であり、そして、将来の子どもたちのためという意味付けすることで、いかに水問題が重要であるかを訴えかける。

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