時代の変化
2021/12/12
タバコ
ドラマや映画の中で、カッコいい大人は、みんなタバコを吸っていた。「タバコはカッコいい」という文化があった。タバコに吸うと大人になった気分がした。飲み物を、コーラからビールに変えた。ビールなんて苦いだけで、コーラの方が美味しいと思いながら。ペンをタバコに変えた。受験勉強を終えて、手持ちぶたさになった手は、タバコがちょうどよかった。咽せながら、タバコを吸った。大人への階段を登った気になった。
大人への階段なんてない、それは、社会が作り出した幻想である。
- タバコは身体に悪く依存性がある薬物だ。
- 薬物を、無責任な社会がメディアの力を使って、人々へ浸透させた。
メッキは剥がれる、嘘はバレる。
「タバコがカッコいい」という価値観が転換する。キャズムが発生し、新しい世代との分断が生まれる。「タバコがカッコいい」と思っていて、タバコ中毒の世代と、「タバコがカッコ悪い」と思っていて、タバコを吸わない世代である。若者は、タバコを吸わない。健康に悪く、カッコ悪いことをしない。今では、タバコを吸う若者は、田舎のヤンキーくらいだろう。
車
車は、便利な乗り物だ。田舎では、免許はもちろん、車も必須な地域もある。しかし、都会では、車を持たない人が増えている。都会では車の維持費もバカにならない。「必要なときに借りる、レンタカーやカーシェリングでいい」と言う。物質を保持することに価値を見出せない。高級車や外車に魅力を感じない。車をステイタスの一種ではなく、移動手段として見なし、ツールとして利用する。それどころか、免許を取らない人もいる。電車で十分だから、免許は必要ない。「免許に20万円の価値を見出せない」と言う。旅行のときは、誰かが免許を持っているから、誰かが運転する。その誰かは自分じゃなくていい。
酒
酒よりもコーラが美味しい。酒はお金もかかる。会話が目的ならば、カフェで十分である。食事のときでも、お酒は不要だ。コミュニケーションをお酒に頼るのは、キャズムの向こう側の世代である。
女
「女にモテたい?」いやいや、女はいらない。友達とゲームをしているのが一番楽しい。もちろん、服にも興味がない。「女にモテたい」という欲求がない。そもそも、女に興味がない。
金
タバコも、酒も、車も、女も、すべてを必要としない、新しい世代である。そう、お金を使う、お金かかる、あらゆることへの興味がない。お金がかからない。お金はあったら便利だけど、必要な分だけでいい。お金持ちになる必要はない。お金のために命を削ってまで働く必要はない。
男女
一方で、女はモテたいじゃなくて、自分をかわいくしたい生き物なのだ。自分が、ただ、かわいくありたい。だから、タバコ、酒、ブランド品がなくても、お金がかかる。化粧、服、髪にお金がかかる。生まれてから、死ぬまでお金がかかり続ける。
自分のことに興味がない小汚いおじさんやおじいさんはいる。自分のことに興味がないおばさんやおばあさんはいない。身だしなみを気にしない男はいても、身だしなみを気にしない女はいない。時代が変わっても、女は、一生女で、お金がかかり続ける。
キャズム
時代によって変わる世界と、変わらない世界がある。世界の分断は明確になってきている。キャズムは、世代ごとに、その深淵をより暗闇の渦へと導く。それは、もう変えられない世界線である。
核家族どころではない。もう、子ども作ることさえ、結婚をすることさえも、特別な世界観になってきている。3〜4人の核家族は、もうなくなり、2人の夫婦も、なくなっていき、1人の独り家族が、広がり始めている。人類は、家族の不自由よりも、孤独な自由を求め始めた。人類はついに、爆発的な人口増加から一転して、人口減少への衰退の道を歩み始めた。
資本主義の未来
コレからは、新しい世界、見たことがない世界が、始まる。人工知能で覆われた世界は、一部の特権階級と、その他の下層階級との2分化が色濃く鮮やかに、社会を包む。特権階級は人工知能を操り、下層階級を支配する。下層階級は、人工知能の手の届かない分野につがみつき、生活の糧を得る。階級を隔てるキャズムは、自分たちが生み出した。
私たちは、資本主義を進めて、世の中を便利にしていった。その結果、便利になり過ぎた世の中は、物欲を奪い、性欲を減退させ、コミュニケーションを単純化した。陳腐な世界を創造した。
私たちは、いつも手にしている、手の平サイズの小さな機械に依存している。その機械なしでは、もう、私たちは生きられない。逆に、その機械さえあれば生きていける。テレビ・ラジオ・新聞・本・あらゆるメディアがその機械に統合された。ゲーム・創作・趣味といった娯楽もその機械に集約している。人との出会いも、その機械がキッカケを演出してする。
スマホがあれば、発信も受信も思いのままだ。お金を発生させることもできる。
- すべてがスマホで解決する便利な世の中なのだろうか?
- スマホを操作することで、よりよい未来を築けているのだろうか?
- 僕らは、スマホに操られているだけの存在になってはしないのか?
YouTubeのオススメを観て、アマゾンのオススメを買って、ZOZOTOWNで服を買い、メルカリで服を売って、食べログで食事に行き、UberEatsで家から出ずに食事をして、ググってみんなの正解を探し、生活をしている。僕らは、既に、スマホの僕 ( しもべ ) である。
神は死んだ。
人も死んだ。
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