資本主義の崩壊
2022/4/20
人類史
暴力を用いて、人を制圧することが、戦争である。暴力を用いて、戦争をして、負けたら奴隷となる。国家が成立すると、国家が暴力を独占した。国家が、戦争を指揮して、領土を奪い合った。土地は食糧 = 農作物の供給源なので、土地が1番の資産であったから、土地を奪い合った。
科学が発展した結果、食糧の生産が容易になり、土地の重要度が下がった。土地よりも工場で労働する人間が価値を持つようになった。人間はドンドン増加していった。
さらに科学が発展していった結果、情報が価値を持つようになった。科学技術と情報を組み合わせると人工知能になり、人間の重要度が下がった。
- これまでは、人間が生産して、人間が消費していた。
- これからは、人工知能が生産する機械で、人間は消費する機械となる。
資本主義
資本主義の社会は、人口増加がピークを迎えるまでは、継続していく。しかし、人口が減少に転じた途端、資本主義は崩壊を初めていく。消費する人が減っていくのに、経済が成長し続けるのは、難しい。人口が右肩上がりだからこそ、経済も右肩上がりの成長を遂げる。人口減少は、経済の縮小を招いていく。
そもそも、経済が「 永遠に成長していく 」という前提が、おかしい。永遠などない。この世は、栄枯必衰の定めである。だから、成長もやがて止まり、減衰を始めていく。
経済が衰退していく世界は、新しい世界はどんな景色なのだろうか?
価値観
例えば「 温暖化は良くない 」というのは、時代に刷り込まれた価値観である。温暖化は暖かくなることなんだから「 俺は夏が好きだから暖かい方がいい 」という価値観があってもいいのだ、本来は。
地球温暖化で、地球が海に覆われるかもしれない?
それは、科学に刷り込まれた価値観に過ぎない。「 科学は絶対だ 」という教育を受けているから、科学を絶対的存在としているだけだ。
キリスト教を信じているのと同じだ。
そもそも、科学は、キリスト教の信仰の結果として生まれた。科学者ニュートンは「 完全な神が創った世界には完全な法則があるはずだ 」と考え、万有引力の法則を発見した、理神論者である。
だから「 成長が良くない 」という価値観も成立する。人口がピークアウトしたとき、人々は「 経済成長が良くない 」という価値観にチェンジするはずだ。
そんなことはあり得ない?
成長は必要?
新発売のiPhone欲しい?
今でも十分に機能を使いこなせていないのに、さらに進化したiPhoneが魅力的に映るのか?
既に、iPhoneは成長の限界を迎えている。機能としての限界ではなく、私たちが望む成長という意味での限界だ。街を見渡すと、iPhoneの昔の機種を使っている人がたくさんいる。彼らにとっては最新のiPhoneは興味がない。今の機種で満足している、不便を感じていない。iPhoneに進化を望んでない。
iPhoneはどんどん余計な機能付加して、高価格になっていっている。不便に感じていないのに、iPhoneはドンドン進化していく、消費者は、置いてかれていく。「 いやいや、もう、そんな成長しなくいいから 」というのが本音だ。だから、新しいもの好きな私たちなのに、最新のiPhoneを求めない。
消費
真面目にたくさん働くことは良いことだ?

中世の人々にとって、勤勉は泥棒と同義の犯罪だった。というのも、一人がたくさん働けば、結果的に他の人の土地や資源を奪うことになるからだ。中世の人々は、いくら働いても貧乏な可哀想な人々ではなく、貪欲は悪という価値観に生きていた。村単位、職業単位で労働時間を厳格に決め、抜け駆けの働きは、厳しく罰せられていた。中世においては「 働くべき時に働かない 」よりも「 働くべきではない時に働く 」方が、ずっと重い罪だった。
私たち人類は「 成長が良くない 」という価値観は、既に経験済みである。
地球という資源が限界を迎え、衰退を始めている。やがて、人類も衰退へ向かうはずだ。消費は、地球という資源を消費していくことに他ならない。だから、できるだけ消費しないように「 ミニマムに働き、ミニマムに消費することが、良い 」という価値観になっていく。働くといっても、それは、現代のように、消費を増加させる方向へ進めていくのではなく、逆である。消費を減少させていくような方向へ進めていくのだろう。
例えば、食事は1日3食ではなく、1日2食、そして、1日1食という、「 消費を減少させていくことが良い 」という価値観である。実際に、成人病の多くが食べ過ぎが大きな要因なのは事実だ。
例えば、完全自動化運転が発明されてしまえば、自家用車を持つ必要はない。いつでもどこでも、今より安い料金で、無人タクシーを気軽に利用できる。自家用車は時代遅れ、ステイタスシンボルとしての自家用車も時代遅れである。「 持たないことが良い 」という価値観、「 共有していることが良い 」という価値観である。
例えば、交換、今は、メルカリなどのフリマアプリが主流である。自分の不要なものをお金に交換している。消費というよりもレンタルである。自分で購買して消費して、商品価値があるうちに、お金に交換する。これが、進歩して、お金ではなく、商品と商品の物々交換が行われるようになっていくのだろう。
「 消費が良くない 」という風潮は「 商品はできるだけ長持ちする 」ということが最重要の要素となる。冷蔵庫は一度買ってしまえば、一生モノという感覚であろう。
冷蔵庫は、自分の生活形態において、交換を繰り返していく。1人暮らしの時、結婚して2人になった時、子どもが生まれた時、子どもが食べ盛りの時、子どもが独立した時、その時々によって、冷蔵庫は交換を繰り返していくようなイメージである。
新しい時代は、新しい世代が創る。私たちは、新しい世代が創る、新しい世界に適用していく他ない。価値観の変化を受け入れられる人々だけが、新しい世界で快適に暮らすことができる。
実は、既に、衰退の時代のアラートは鳴っていて、じわりじわりと、私たちの価値観の中を侵食し、はじめているかもしれない。
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