何もしないことをする

知識

何もしないことをする

2022/2/8

私たちは、何もしないことに、慣れていない。
何もしないともったいなく感じてしまう。
私たちは「 時間がもったい、時間が足りない 」と感じている。

だから、何か同時にふたつのことをやる。食事をしながら、テレビを見る。歩きながら、走りながら、音声コンテンツを聴く。歯磨きをしながら、スマホを見る。音楽を聴きながら、仕事や勉強をする。できるだけ同時に複数のことをして、時間を節約しようとする。

マルチタスクと言えば聞こえはいいが、実際は、ひとつのことに集中していないから、ただ、非効率なだけだ。目まぐるしく、意識が右往左往しているだけだ。本当の集中には至っていない。ひとつのことに集中することは、意外と難しいことになった。

私たちは、できるだけ多くのことを同時にやり、実際には素早く入れ替わっているに過ぎなくても、時間を欠乏し続けている。「 時間が足りない 」ともがいている。

私たちは、できない、「 何もしない 」ということができない。

いつも、「 何かをしなければならない 」と考えている。隙間時間に、ボーッとしない、すぐに、スマホを見る。常に忙しい。私たちの脳は、その速度に耐えられるように設計されていない。脳は疲労困憊である。脳の慢性疲労が、私たちが感じている日常の疲労の要因である。

だから、今、瞑想が、マインドフルネスとして逆輸入されている。何も考えない時間を少しでも持とう。自分に向き合う時間を作ろう。そうすることで、脳の慢性疲労を取り除き、ごちゃごちゃしたゴミがなくなった部屋でスッキリとした気持ちで、モノゴトに取り掛かろう。そして、ひとつのことだけに集中する。そうすることで、結果として、マルチタスクよりも、短時間で、モノゴトを終わらせることができる。

私たちは、意識的には、何も考えていなくても、ボッーとしていても、無意識で潜在意識で脳は考えている。

意識的に考えていたことを引き続き、脳が考えてくれている。
急にアイデアが湧いたり、急にひらめいたり、急にわかったり、誰しもそんな経験があるはずだ。

私たちは、意識を使い過ぎて、脳の意識部分をパンクさせている。私たちは、もっと無意識に頼っていい。意識的に考えなくても、無意識が考えてくれている。何かを焦って、必死に、いろんなことを同時にやらなくていい。本気で、考えていることは、無意識も考えてくれる。本気で、ひとつのことに取り組むことだ。適度に休憩して、ボーっとする、スマホを置いて。何もしない時間を持つこと。何しないことが、逆に、何かをするときの集中力を高め、効率性を上げる。何もしない勇気である。

生き急ぐ現代人の効用は、無意識の活用である。
【本要約】21レッスンズ
私たちは、自由意志を持っているように自覚しているに過ぎない。 私たちの自己とは、心の複雑なメカニズムが絶えず作り出し、アップデートし、書き直す、虚構の物語である。

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