時代を創る若者と酒を呑む

湯浅

時代を創る若者と酒を呑む

2020/12/26

クリスマスイブに、焼肉屋でナンパした店員と、呑みに行ったら、将来、有望な若者だった。

自分の半分の年齢の若者である。初対面である。

若者と呑んで自分がまた一つ可視化された。

俺は、若い女性が好きだ。20代前半の女性が好きだ。若い女性は、若さという自分が永遠に失ってしまって得ることができない価値を持っている。その価値がある人に認められることで、代替え的に、自分の価値を再確認している。

そして、若い人は、自分にはない新しい価値観を持っている。その新しい価値観に触れたいのだ。知らない価値観に触れたいという欲求が、俺を若さという概念に向かわせる。

一方で、自分と年齢が近い女性を好む男性もいる。それは、「自分と近い価値観に触れて、共有したい」という差異よりも共通項に軸を置いた思考である。

5年で10億の資産を作ってリタイアするFiREという大きな夢がある。否、大きな夢だと思っていた。

40歳の現実を知った夢は、とても小さかった事に気付かされる。21歳の若者の夢は、俺の夢の10億倍大きかった。俺の年には、40歳には、沖縄県知事で、その後は、総理大臣という、日本のトップだった。

でも、俺は、彼なら、なれるかもしれないと思った。俺のまわりに、「総理大臣になりたい」っていう人は、いなかった。「総理大臣になりたい」と思わないと、そもそも、総理大臣になれない。

凡人は、「総理大臣になりたい」って思わない。「総理大臣になりたい」って思うことは、誰にだってできる。でも、「総理大臣になりたい」って思わない。それは、『そんなことは自分にできるはずがない』という価値観に抑え込まれてしまっているからだ。

若者には、未来がある。「総理大臣になりたい」という夢がある。彼の夢は、偉大だ。彼は多くの大人に笑われてきたのかもしれない。でも、自分を曲げなかった。自分を信じた。「自分なら、総理大臣になれる」と信じた。

そんな若者を笑うような大人にならなくてよかった。そんな自分の未来を描ける彼を、「応援したい」と思える大人でよかった。彼の未来を信じて、「彼ならできるかもしれない」って思える大人でよかった。これからの未来を創るのは、若者である。大きな夢を描ける若者である。

エンジェル投資家という生き方は、実は、世界一カッコいい職業かもしれないなと思った。

俺は、『21歳の若者に学ぼう』と思って、『勉強させてもらおう』と思って、若者を呑みに誘った。俺の勘は、正しかった。むしろ、予想以上に、学べた、間違いなく、同世代の誰と呑むよりも。

若さとは偉大である。Windows98以降に生まれて、生まれた時から、インターネットが存在していた、インターネットネイティブ世代である。生まれたときから、ググれば何でもわかる世界の住人である。そもそもの価値観が違って当然である。

そして、何より驚いたのは、その21歳の若者は、「生まれた時から、iPhoneやtabletに触れている自分より若い世代を怖い」と言った。彼は、21歳にして、この時代の変化の速さに気付いているのである。

自分より若い世代に自分の成功体験を話すような大人は、その再現性のない成功体験に価値がなくなっていることに気付いていない。自分より若い世代が、これからの未来を創る世代が『何を考えているのか』『どういう生き方をしているのか』を聞き学ぶことでしか、この移り変わりの早い世界を生き抜いていけない。

これまでの変化が遅い時代では、先人に学んでいればよかった。そこに再現性はあったし、普遍的な真理もあった。でも、今は、インターネット世代の若者や、iPhone世代の子どもから、学ぶ姿勢こそが、変容の時代の正しい歩き方かもしれない。

大事なことは、その変容を素直に受け入れることである。そして、変容を恐れずに進んでいくことである。変容のない立ち止まった世界は心地よいかもしれないが、それは、止まっているのである。心地よさは、停止の裏返しである。

変容の繰り返しこそが、新しい未来を創る術である。

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