【本要約】東洋思想に学ぶ人生の要点

【本要約】東洋思想に学ぶ人生の要点

2021/8/18

見えない存在

東洋思想のひとつに「見えないモノを見る」がある。

見えないモノの例は「人の心」である。

東洋思想は、外面よりも内面を重視するが、その内面の最たるものが、人の心である。
【人の心の見方】
・相手の言葉の端々を注意深く読む。
・相手の表情や態度の変化を追う。
・相手の全身から発する気配を読む。
※気の変化はすべて、心の動きの表れである。
人生においては何事も人が相手であるから、人の心が読めなくてはならない。

もうひとつ見えないモノの例が「神」である。日本は多神教であるが、神の偶像がないのは、自然が神であるからだ。

神ばかりでなく、儒教でいう「天」、道教でいう「道」、仏教でいう「仏」など、この世の絶対的存在を実感する。神を実感し、ありありと感じるようになれば、そこに対話が始まり、やがて「同行」することになる。神を人生の道連れにする。

人生

儒教
人の細かい言行、一挙手一投足について注意を促す。
道教
過度な傲慢・強欲・利己心を戒める。
仏教
人の心・人間関係の根本を説く。

時代は、大きな転換期を迎えているが、何より大切なことは、自分を失ってはいけない。自分ならではの人生にする。人生は自分次第である。

  • 自分が怠惰であれば怠惰の結果の人生になる。
  • 自分が勤勉であれば勤勉の結果の人生になる。

人生は分岐の連続であり、その道の選択にかかっている。
→ 厳しい道を選んだ方が結局は良い結果になる。

自分で決める。

  • 選択せず決めないのも、自分の決断
  • 選択して決めるのも、自分の決断

自分の決断の後は、いかに、その道程を楽しむかである。

決断とは、決して断つことだ。
やめることは、続けることより、よほど難しいことである。

何が起こるかわからないのが人生である。だからこそ、人生に計画を立てる。具体的に、リアルに想像できるほどに、未来図を描く。自分の人生は自分で創るのだ。

本当に強く詳細に「あたかも既にそうなったかのように」想い描ければ、未来図は現実となる。

自分の人生を生きる。

自分の人生とは「何を大切に生きるか?」である。

誰が何と言おうと「自分がコレこそ大切にしよう」というモノを強固に持ち続け、やり続けることだ。

論語の巻頭
「子曰く、学びて時に之れを習う、亦た説ばしからずや」
人生は学びだ。学んだら、習う。習うとは、何度も何度も繰り返し実習して身に付けることである。
「君子は本を務む」
立派な人物は、何事でも、根本を知り、根本を正すことを行う。

なぜ、根本から直すことが必要なのか?

根本には必ず道義があって、道義を復活させることになるからだ。

人生 = 積極志向 × 努力 × 人格 ( 信用 )

人生とは、人生を過ごす上での心構え、気の持ちようが大切だ。

  • 最も悪いのが、消極的な考え方である。うまくいかないことを他人のせいにしてしまう、他責にしてしまうことだ。
  • 悪いことも良いことも「全部、自分が原因だ」という自責を持って生きる。

信用なくして、よりよい人間関係なし。信用を得るためには「嘘偽りのないこと」だ。

人生は、正直に徹して、自己の人格を磨くことである。

東洋思想の概念

【東洋思想のおもしろさ】
「見えないモノを見る、聞こえない声を聞く」
※ 見えないモノ …「人の心」「明日」「遠く離れた場所」
人の心が、読めるようになると「人間通」になり、モノゴトが円滑に進む。

【論語】
・孔子は、多くの欠点を持つ人であり、多くの欠点を克服した人であった。論語はその記録である。
・人間関係の細かいイロハから卓越した人間関係作りまで、書かれていないことはない。
・人間の原点・在り方・長所と短所が記されているので、根本に返る時に、役立つ。

根本

根本に徹する。
→ 人間は目の前にある枝葉を見てしまって、木という本質に辿り着かない。

  • いかなる問題も「この問題の根本は何か?」と問い続ける。
  • いかなる学びも「この根本は何か?」というところを学ぶ。

根本はひとつである。

自分

あくまで自分が大本である。

  • 自分の外側よりも内側を重視する。
  • 自分の内側の内部にある自分の心を見つめる。
  1. 「自分の心を知る」ことこそ、「自分を知る」ことの第一歩である。
  2. 「自分を知る」と「自分のすべきこと」が気になる。
  3. 「自分は何の為にこの世に生まれてきたのか?」これが自覚を生む。
    自覚こそが生きていることの証明であり、意味である。

自分思考によって内面が強化され、揺るがない自分が作られ、自己が確立する。

美しい心で生きる。

幸福は、心の満足にあり、心の満足は、感謝の心である。
生きていること自体に感謝の心を持つ。
【心を乱すモノ】
・邪 ( よこしま ) → 他人に対して悪口を言う
・強欲 → 必要以上に欲する
・喜怒哀楽 → 感情に左右される

志を持ち、ひたすら、志に向かって生きること。
それが美しい心で生きるということ。

【自然との共生】
・何事も対立・対決しない精神である。
・何事も受け入れる精神である。

自分にやってくる運命を受け入れ、しなやかなに強く運命を乗り越えて先へ行く精神である。大いなる自然と共に、自然の営みに同化して生きる。

宇宙

宇宙の根源と一体となる。

・仏教や禅は、悟り
・儒教は、天との一体化
・道教は、未知との一体化

向かうところがすべて同じ一点、だから、帰一という。

  • 人間は宇宙の根源の一部である。
  • 宇宙の根源と一体化することの実感が重要だ。

無に至る。

仏教・儒教・道教に共通する概念は「無」である。

「無」という概念
私たちが目で見える世界「有」があって、その世界の周りに見えない世界「無」が広がっている。

「有」の世界には限りがあるから有限で、「無」の世界には限りがないので無限である。

「無」になることを目指すのが、東洋思想である。

※「空」という概念は、何もない世界である。

東洋思想の考え方

生きる

  • 生きているだけで満点
    生きていることに感謝して、生きていることに満足する。
  • 今日がこの世にいる最後の日かもしれないと思って1日を過ごす。
  • 他人は他人、自分は自分として、他人との比較を止める。
  • 他責思考をやめ、自責思考で生きる。
    そのためには、他人に、常に「ありがとう」という感謝の気持ちを持つ。
  • 足るを知る者は富む
    大富豪になっても、不平不満の持ち主は富者とは言わない。
    どんな状況でも、感謝の気持ちを失わない人を富者と言う。
  • 自分だけが「独りで豊かになろう」とするのではなく、「みんなで豊かになろう」とする心が、みんなから支持される。
  • ヤメたくなったら、1ヶ月だけ続けてみる。
  • 否定語を使わず、肯定語を使う。
悲観的に準備して、楽観的に行動する。

感謝

・朝が来てくれてありがとう
・今日も生きているありがとう
・家族が元気でありがとう
・ご飯が食べられてありがとう
・今日も美味しいありがとう

どの場面でも、そうあること自体に感謝する。

不平不満を言い、怒らざるを得ない人生とは、結局は、「自分が、そうした毎日を望んでいた」ということだ。

人生とは、自分の望んだ通りになる。

感謝ばかりの1日を生きる。

正直

正直がすべてだ。

正直の反対は嘘であり、嘘は、長年の信頼関係も一発で吹き飛ぶ。

そして、その嘘を聞いているのは自分である。すると、自分が自分を信じられなくなってくる。「自分を信じられる」と書いて「自信」だから、だんだんと自信がなくなってしまう。

学ぶ

人間は何事も身に付けるには、一つの方法しかない。反復練習である。何回も何回も行う。口で言うばかりでなく、実際に自分で行動する。

学習とは、学んで実習実践を行うことである。学ぶだけではなく、実際に、実習しなければならない。

覚悟

人生は、覚悟に尽きる。

覚悟が決まってなければ、何をやってもうまくいかない。

覚悟とは、悟りを覚えること。

覚悟のコツは、「今・ここ・自分で」生きることである。

  • 明日を掴むことはできない。
    明日も、生きている時は、今しかない。だから、明日になれば、その時は、今になる。
  • 空間も同じである。
    自分がいる空間もここの空間しかない。違う空間へ行けば、その空間がここの空間になる。

「今・ここで・自分で」しかない。明日になったら、環境が変わったらということはない。今ここでやらないと、いつまでもやらない。

「今・ここで・自分で」やるしかないと決断することが覚悟である。

覚悟して、逃げない自分を作る。

  • 「いつでも来い、それに負ける己ではない」と正面から受けて立つことが自己の確立である。
  • 「いつでも来い」と覚悟を決めた瞬間から、それは嫌なこと、困ったことではなくなる。

人間と人生

人間とは?

人間とは何か?

天は人間に生まれるのあれば、これを持っていきなさいと、人間にだけ与えてくれたモノがある、それが理性である。人間も動物だから、本能や欲望はある。

  • 本能や欲望で生きるのが動物
  • 本能と欲望と理性で生きるのが人間

理性とは、精神・意識・霊魂である。

人間を磨くとは、理性を磨くことである。

人生とは?

人生とは何か?
今を生きることを楽しむ。

今を生きることを楽しむとは何か?

苦しいこと
嫌なこと
厄介なこと
失敗すること
嬉しいこと
悲しいこと
恐ろしいこと
怒ること

そういった様々な感情を楽しむ。
そして、その感情を引き起こす体験を楽しむ。

生と死の間にある体験が人生である。

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