【マンガ要約】雇用・利子および貨幣の一般理論
2021/2/2
アダムスミスの『国富論』では、経済は、神の見えざる手で動く。
●失業と経済
○失業
・自発的失業
自ら働かない失業者
・摩擦的失業
前職から、次の職までの間の失業者
・非自発的失業
働きたくても働けない失業者
働く技術が未熟な失業者
労働者は、労働時間の対価に賃金を得て、その賃金でモノを買う。つまり、労働時間とモノを交換していることに等しい。
○経済
・生産
生産要素を買ってモノを作る
・所得
モノを作った成果を生産要素に報酬として支払う
・支出
受け取った報酬でモノを買う
自由放任主義…個人が各々の利益を自由に追求すれば、それは、自ずと社会の利益に還元される。
セイの法則…供給が需要を生み出す、即ち、価値を生み出せば生み出すほど、経済は成長を続ける。
●ケインズの雇用・利子および貨幣の一般理論
○失業問題の解決手法
「現在、社会的に物価が下がっているので、それに応じた適正な実質賃金にするために、給与を下げる」と言っても、労働者は納得しない。労働者は、実質賃金と物価の関係性など考えていない。労働者は、給与の額面を、名目賃金を気にしている。逆に、物価が上がった時に、それに応じた実質賃金にするために労働者が訴えても、企業が応じないのと同じ原理である。
古典派経済学問は、完全雇用という特殊な状況のみ当てはまる特殊理論である。
失業問題の解決を、労働者に支払う実質賃金を下げることとした。
ケインズは「経済とは、人間の営みそのものであるから、人間の知恵で解決できる。」と唱えた。
ケインズの理論は、一般理論である。
需要が供給を生み出す、有効需要によって、失業問題を解決しようとした。
有効需要の担い手は、消費者である。
・個人消費
・企業の民間投資
・海外輸出
・政府支出
これら全ての消費を合わせて、国内総生産GDPという。有効需要の増加はGDPの増加である。
GDPを増やすためには、投資が重要である。投資とは、民間投資と、政府支出のことである
民間投資は、企業投資である。企業は新しい機械を買って、その機械で何かを作って、収益を得る。その収益率を、資本の限界効率という。企業は、資本の限界効率と、銀行から借入する利子率を比較して、投資の判断をする。
企業は、投資失敗のリスクを、銀行は、貸倒れのリスクを、利子率に付加させていく。
○不況
不況は供給過剰で、モノの値段が下がることによって起こる。このデフレを解消するためには社会の有効需要を増加させねばならない。
有効需要の増加=GDP(国民総所得)の増加
↑
GDPの増加のためには、投資の増加が必要
↑
投資の増加のためには、利子率の低下が必要
↑
利子率の低下のためには、お金の供給量の増加が必要
↑
政府が介入して、政府支出で債券を買う。
→金融緩和政策
政府支出で債券を買っても、利子率は収束して、一定の水準で停滞する。
↓
債券を買わなくなる=企業や国がお金を借入できない。
↓
企業の民間投資、政府支出が停滞する。
↓
政府が大量に購入していた債券を売って、利子率を下げる。公共事業で、雇用を創出する。
○現金
人が現金(預金)を手元に置いておきたい理由
・取引動機
モノ/サービス等の規則的な購入のため
・予備的動機
モノ/サービス等の予見されない購入のため
・投機的動機
債券価格が将来下落しそう(損しそう)だから、危険な債券(資産)ではなく、現金を保有しておきたいため
・流動性選好
人が現金の利便性を好み、便利ゆえに現金を手放さない。
○債券
お金が利子を生むためには、お金を貸して債券にしなければならない。お金が債券になると、欲しいモノをすぐに買えない。債券を現金化する必要がある。だから、お金を貸して付いてくる利子とは、お金の便利さを手放すことである。
配当額 / 利子率 = 実質債券価格
・利子率か下がれば、債券価格は上昇する
・利子率が上がれば、債券価格は減少する
利子率と、債券価格は、反比例の関係にある。
○株式
・株式投機とは、株式市場の投資家の心理を予測する活動である。企業の本当の業績より、世間的なイメージを優先して、「みんなこの企業の株を買うだろう」と予測する。短期的な売買である。
・株式投資とは、株式を発行している企業の予想収益を予測する活動である。世間の評判より、企業の業績を自分で調べて買う。長期的保有である。
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