高級ランチで知る、舌の衰え

高級ランチで知る、舌の衰え

2021/1/29

<卵>

卵ご飯が好きだ。それは、もう、『人生最後の晩餐は、卵ご飯だ』と決めているくらいには。

卵ご飯は、日本でしか食べられない。海外では、卵は火を通して食べる食材だから、卵の賞味期限は1ヶ月とかもある。だから、海外から日本に帰って来た、はじめの1食目は、卵ご飯と決めている。だって、1番好きで1番食べたいから。

<燻製>

燻製が好きだ。燻製から薫る香りが、食欲を、かき立てられる。そして、酒に合う。

燻製の卵ご飯が食べられる店がある。

燻製の卵ではなく、燻製の調味料で、卵ご飯を食べる。しょうゆ、塩、コショウだけでなく、ゴマ、オリーブオイルまである。これらの調味料を少しずつ使って、卵ご飯を食べる。

もちろん、卵ご飯だけではなく、ハンバーグも付いている。燻製したハンバーグではない。燻製した調味料で使ったハンバーグではあるが、それでも十分に美味しい。

2,000円弱する高級ランチである。

でも、なんだか、おかしいのだ。

舌が、おかしいのだ。味覚が、おかしいのだ。いつもより、味がしない。味がわからない。感動がない。こんな筈じゃなかったのに。どうしたんだろう?

多分、味覚が変化したのだろう。燻製という繊細な料理を、繊細な味を感じる能力が衰えたのだろう。そういう風に、自分を分析するしかない。

料理人なのに、舌が衰えた。これは、衝撃である。料理を作る度に、日々、調理の能力はアップしている筈なのに。

生きてりゃ、いろんなことがある。舌が衰えることもある。それは悲しい。でも、舌が衰えた自分もまた自分なのだから、そのまま受け入れるしかない。

世界は変容しているし、自分もまた変容し続けるというのが、自然の摂理である。

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