夏目漱石『こころ』の読書感想文

夏目漱石『こころ』の読書感想文

2021/9/1

『こころ』

読書感想文とは、どういう風に書くんだろうか?

忘れてしまった。

夏目漱石は、1000円札になる程の偉人だ。英語の先生で、国費でイギリス留学できるくらいに優秀だった。そして、イギリスに行ってメンタルが病んで、引きこもりになった。エリートの挫折という感じか。日本に帰ってきて、友人の勧めで、小説を書いたら、これがヒットした。その小説が良い出来すぎて、お札になったのが、夏目漱石である。

夏目漱石の知識はそれくらいである。

忘れてはいけないのが「月は綺麗ですね」という女性への口説き文句か。国文科の女性にしか通じなさそうだが。

月は綺麗ですね → I love you

こころの読書感想文である。

こころは、読んでる途中で、止めかけた。

「先生の遺書」という第3部のメインまでの導入が長い。多分、この第3部のメインがあって、継ぎ足されたのが、第1部と第2部の導入である。導入で飽きてきて、読むのを諦めかけた。でも、この日本の歴史的名著をこの機会に読まなかったら、もう、読むことはないだろうと考えた。

『こころ』を読んだ湯浅か?
『こころ』を読むのを諦めた湯浅か?
「どちらの自分が、未来の自分としてありたいか?」と考えて、頑張って読んだ。

第3部は、メインだけあって、引き込まれていったし、「なるほど、これはおもしろい」となった。結論としては『こころ』は第3部だけ読めばいい。第1部や第2部は、誰かの要約かなんかで十分だ。

つまり、この読書感想文は、第3部のメイン「先生と遺書」についての思考である。

こころという題目が付いているだけあって、人間の心の内が、類稀なる才能で、描写されているのが、こころの魅力である。もっと、言えば、引きこもりという逆境の中で、自分の心と対話し続けた夏目漱石だから、辿り着いた世界であろう。国のエリートとして、国費で留学した挙句、イギリスで引きこもりという苦節が、こころという作品のエネルギーとなったことは間違いない。

こころは、人間の心の弱さを書いた。

いかに、人間が、いや、日本人が、ズルくて言い訳がましくて、行動できないかを、書いた作品である。

日本という文化の中で、日本人として育ったからこそ、共感できるのだろうと考える。外国の人には、共感されない気がする。

それほど、日本人特有の歪んだ心を描写している気がしてならないからだ。

行動しようとするも、自分の中で、いろんな言い訳を用意して、行動しないことが、誰しもあるだろう。その極みと言っても差し支えもないのが、先生、その人であり、先生の遺書である。

そして、この時代において、天皇が神様の時代においては、命の扱いが、今と違っている。

天皇が死んだら、自分も自殺する。
そんな価値観がまかり通っていた時代である。

今、天皇が死んだからって、自殺する人はいないだろう。

象徴でない時代の天皇、そして、軽薄な自分の命、この2つの価値観が、こころという作品の根幹として、時代背景としてある。

湯浅は、別に、天皇に対して否定的でもないし、自殺に対して否定的でもない。

天皇に対して、本1冊読むくらいの興味はある。

天皇~「なぜ日本では海外のように自国の国旗が至る所にないのか?」という答え
「日の丸」は国旗として使われてきたが、敗戦後、GHQは、軍国主義色の強い「日の丸」の掲揚を禁止した。禁止は、4年で解除されたが、日本人の心に「日の丸 = 軍国主義・天皇主義のシンボル」というイメージが、強烈に刷り込まれた。

自殺に関しては、この世で最後に満たしたい興味の対象が、死である。自分で決めるか、自然に任せるかだけだ。

そんな湯浅の価値観が、人とは違うことも認識している。

さて、話を戻そう。

先生の遺書 = 先生の醜い心の告白
  • 友を助けるという偽善
  • 友を裏切るという利己
  • 妻に秘密にするという卑怯
  • 自分を殺すという喪失

人間の心の中には、歪んだ感情がある。みんなそれをひた隠しにしてるけど、言わないけど、実は、心の中で思っているでしょ?そんなドス黒い感情がないように、明るく振る舞っているのは、上っ面だけでしょ?そんな人間の負を、負の心の世界を、共感を得られるように書いた。それが、こころの本質である。

そして、先生の遺書とは、死の前の最後の願い、承認欲求とも違う「私を知って欲しい」という想い。

私たちは、誰かに知って欲しいんだな。
私たちは、誰かにわかって欲しいんだな。
もしかしたら、自分を忘れないで欲しいのかもしれない。

こころとは、夏目漱石の忘れないで欲しい気持ち
「自分が死んでも忘れないと欲しい」という想いが詰まっているから、時代を超え続けているのかもしれない。

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