わかっててもできない

湯浅

わかっててもできない

2022/1/28

わからないとできないけれど、わかってもできないことがある。わかるとできるは違う。頭で理解することと、行動して実現することには、もう一段の隔たりがあるということだ。

私は、わからないことが嫌いなので、特に、問題と答えがある数学や物理は、熱心に取り組んで来た。しかし、歴史は、わかる・わからないではなく、記憶することが重要視されている。特に興味はない。赤点上等である。興味ないことは、どうでもいい。

それから、30年程ほど経った今、私は歴史を熱心に学んでいる。単なる記憶の集積でしかなかった歴史は、問題と答えが詰まっており、それが、自分に影響することに気付いたからだ。

歴史の中にあるのは、事実だけである。そこから、自分で、問題と答えを見つける。いきなり、そんなことは、できない。だから、本に学ぶ。本は、著者の知識を元に、いろんな事象をわかりやすく説明してくれている。その背景には、往々にして、歴史が携わっている。だから、本を読んでいくと、歴史に知識が自然と身に付いていく。

「 そんな問題の捉え方があったのか 」を繰り返していくうちに、知識は集積していく。

私は、理系で、ITエンジニアで、科学を絶対視している。
科学を信じて、科学を勉強し、科学の力で、金を稼いできた。

・科学の誕生?
 宗教だね、キリスト教だね
・資本主義の誕生?
 宗教だね、プロテスタントだね
・学校の由来?
 監獄だね、監獄をモチーフにしたのが学校だね
・体育の授業?
 徴兵の簡略化だね

という捉え方を、歴史に学ぶ。

そういった、知識をどんどん集積していくことによって、段々と、世界が色づいてくることがわかる。今まで、モノクロだった世界、モノクロであったことにすら気付がなかった世界である。カラーがあるからモノクロがわかるのであって、最初からモノクロの世界であれば、そこに疑問を挟む余地はない。

数学や物理という科学は、問題と答えがわかりやすいだけだ。歴史は現代に通じているし、私たちの社会に関わっているので、その問題と答えを見つけるのが難しいのだ。

問題と答えの捉え方は、本にある。賢人たちが、歴史の読み方を捉え方を、そして、それを現代に当てはめる手段を教えてくれる。

① 誰も答えを持っていないから、答えは自分で導き出すしかない。
② 「 正解かどうか 」を判断するのも自分だ。
③ わかったけど「 それが正解かどうかわからない 」から、やってみないとわからない。
④ できて初めて「 それが正解だ 」とわかる。
⑤ 自分で試してできるまで、正解がわからない。

それが、わかるとできるは違うということの真意である。

私たちは問題と答えを用意されて問題を解いて答えを見つけることばかりを訓練されてきた。だから、私たちのほとんどは、サラリーマンになって、問題を解いて答えを出す生活に馴染む。

しかし、社会では、問題を見つけることが、重要である。そして、問題を見つけて、正解を探し出すことが、最も、重要である。問題を見つけることと、正解が見つかるまで、トライ&エラーを繰り返すことでしか、山の頂きは、見えない。サラリーマンには山の頂きは見えない。

私は、解くべき問題を探している。問題を探すための能力を高めるために、本を読んでいる。私が、解くべき問題を、見つけたならば、後は、正解を探し続けるだけだ。問題を探すことが何よりも難しいのだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました