【投資】僕は君たちに武器を配りたい
2020/10/20
投資の現実
お金の性質というのは、「たくさん持っている人(お金持ち)の1円も、少ししか持っていない人(貧乏人)の1円も、同じ価値を持つ」ということにある。
つまり、投資会社の顧客は、『法人や、お金持ちの個人投資家』か『貧乏な個人投資家』かのどちらかになる。
成功している投資会社は、当然、『法人や、お金持ちの個人投資家』の顧客をターゲットにしている。『貧乏な個人投資家』から資金を調達するのは、たくさんの人数の顧客が必要であり、手間がかかるからだ。
その結果、有用な投資情報は、『法人や、お金持ちの個人投資家』にだけ与えられ、儲かる金融商品が取引される。『法人や、お金持ちの個人投資家』が取引しない金融商品しか『貧乏な個人投資家』には、回ってこない。
『貧乏な個人投資家』と取引する投資会社にとっての優良顧客となるのは「自分の頭で物事を考えない」人々 だ。そして、いつの時代もそういった情報弱者はたくさんいる。ここに、個人相手の商売の本質がある、「人数がたくさんいて、なおかつ情報弱者のターゲット層」のほうが効率が良い。
投資家とサラリーマン
資本主義社会では、すべての人は、投資家になるか、投資家に雇われるかの2択しかない。投資家は、資本を所有して、資本を適切な会社や人材に投資する。
投資には必ずリスクとリターンがあるので、重要なことは、以下の3点である。
- ローリスク・ローリターンの安全策をとるより、ハイリスク・ハイリターンの投資機会をたくさん持つこと
- 集中投資はリスクが高いので、リスクは分散させなくてはならないこと
- 自分で管理できる範囲でリスクをとること
(仮説に基づいて投資を行った後に、仮説の不備に気付いた時点で、その投資から撤退すること)
サラリーマンとは、実は、ほかの人にリスクを頂けて管理されている存在なのである。つまり、自分でリスクを管理することができない状態にある。
投資の真実
投資で必要なのは「真実」に気づく「ニュースの裏を読む力」である。
情報を見たときに、「この会社はこれから伸びそうだな」と感じたら、自分と同じことを考える人間が世の中にたくさんいると、考えが「コモディティ」になっていると認識する。
新聞やテレビで公開された情報には、権力者が「アナウンスしてほしい情報」だけが載っている「情報は権力者が世間を誘導するために流している」と考えるべきである。
本当に価値のある情報というのは、みんなが知った瞬間に、その価値がなくなってしまう。本当に儲かる情報は、メディアには載っていないのである。そう考えると、個人投資家が株式投資で確実に儲けることはほぼ不可能となる。
機関投資家と個人投資家では、得られる情報の速度と深度が異なる。上場企業はIRレポートなどによって投資に必要な情報を公開することになっている。一方で、上場企業の株を扱う証券会社は、機関投資家向けの説明と一般投資家に向けての説明を、微妙に変えている。機関投資家は微妙なニュアンスを読み解き、個人投資家と逆張りをすることで儲けている。
投資とインプット
世の中の動きを見るときには、サイクルなのかトレンドなのか、それを正確に判断することが重要となる。トレンドは一度起こったら元には戻らず、そこで起こった変化が常態となる。その反対にサイクルは、時とともに変化が循環し、再び以前と同じような状態に落ち着いていくだから、投資においては、ある事象がサイクルかトレンドのどちらであったとしても、リスクを加味した複数のシナリオを用意しておく。
投資ではよく「市場の歪み」を見つけることが重要で、「市場の歪み」を正すことが、社会にメリットをもたらし、自分には利益をもたらす。「市場の歪み」に気づき、正すためには、人々と違う「インプット」を得ることだ。
メディアに載っている情報を信じて投資したら損をするというのも、みんなと同じインプットをもとに行動するからだ。みんなの知らない情報をもとに投資すれば絶対に儲かるが、株式投資ではインサイダー取引は違法である。インサイダー取引でない投資をする、それは、自分の労働力や時間や人間関係を投資することである。
本当の投資
現代では、イノベーションを生み出すことができる知性や、全く異なる属性のものを結びつけてオリジナルなモノを作り出す発想力を持った人材が資産となっている。だから「この会社は将来伸びる」と考えたならば、自分の持っている人脈や知識やスキルなどの「人的資産」を投資する。
先行きが見えにくい時代であるから、ビジネスをする相手を現時点の世間の評価だけで判断してはならない。ある時点での一つの投資活動が、その後の自分の未来を大きく変えることもある。投資家は、投資先の未来を予測しながら、投資先の未来に自分自身が関わっていかなければならない。
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