バンクシーとの出会い2
2021/2/22
バンクシーの個展
バンクシーの流通の仕組みはわかった。
展示場の人に「バンクシーっ何がすごいのか?」と聞く。
時代や思想や世相を斬るということが、どうやら人気らしい。若者ウケするらしい。
なるほど、いつの時代も、パラダイムシフトは、若者という、新しい世代によって受け入れられる。
旧世代へのアンチテーゼが作品となり、新世代の若者に受け入れられている。
『世はまさに、時代の大転換時代』
その象徴である。
そして、「こないだ、バンクシーの個展に行った」と言って、バンクシーの画集を見せてくれる。
こないだ?
今、まさに、名古屋で、バンクシーの個展がやっているとのこと。
なるほど、なるほど。
絵の価値
その会場で、圧倒的異彩を放つ作品があった。1億円オーバーの油絵である。
展示場の人に、聞いてみる。
俺は、この絵を100円でも買わない、それは価値がわからないからだ。俺は、絵のことがわからないから、この絵の価値を説明してくれと頼む。
その絵が、どういうふうに描かれたかという、作品の描写手法について、享受する。上から自分を吊して、足を使って描いているという。
「なるほど、なるほど」でしかない。「それで、それで」である。
その人は、密教に傾倒していて、そこから得たインスピレーションで、作品を生み出していて、海外からも、評価が高い。
オッケーでーす!
俺は、この絵の良さは、理解できないけど、この作品がなぜ1億円オーバーするかの背景は、理解できた。
宗教と海外のコラボは、鉄板だ。だって、世界は宗教で、できているし、日本人は、自分の価値観よりも、他人の価値観を優先する民族なので、” 海外で評価されてる ” に弱い。全米が泣いたというキャッチコピーが、その証左だろう。
「そして、そして?」
美術品とは、その人が、その時に、何を考え、何を感じて、何を描いたかによっても価値が変わる。
美術品が、絶対的価値から、相対的価値への移行を肌で感じた瞬間である。
えっとー、まとめると、美術品の価値は、絵のうまさではなくて、その人の環境や、思想、そして、才能のピークによって形作られるものということ。
そもそも、絵がうまくなきゃ、舞台に立てないから、その前提はあるとして。でも、画家を目指す人なんて、絵なんてうまいに決まっている。
例えば、絵が1番上手い人が、1番売れるわけじゃないし、1番売れている人が、1番上手いわけじゃない。
世界で1番売れてるのが世界で1番美味しいのなら、日清カップヌードルが世界1番美味しいことになる。
歌がいいから買うのではなく、歌がいいし、流行ってるし、見た目がカッコいいし、歌詞がかっこいいから、買うのだ。
つまり、お金を払って買うということは、その人のその時の人生にペイである。
そういう意味においては、美術品とは、人への投資、エンジェル投資家の投資、バフェットの投資である。
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