現代の幸福論~食事、セックス、金銭でもない世界

現代の幸福論~食事、セックス、金銭でもない世界

2020/9/22

幸福とは?

幸福の定義とは?

チベット仏教の観音菩薩の化身である、ダライ・ラマは、「幸福とは人生の目的である」と定義した。
開拓時代のアメリカの作家ナサニエル・ホーソーンは、「幸福は偶然やってくる。追い求め
る対象にしたら、決して得られない」と嘆いた。
ドイツの古学者ショーペンハウアーは、「幸福とは奇怪な妄想で、苦しみこそが現実である」という不吉な言葉を残した。
アメリカの作家マーガレット・リー・ランベックは、「幸福とは旅の目的ではない。旅の方法である」という微言だ。

幸福は主観的なものだから、人によって違う。
一方で、進化心理学によって、幸福の片鱗に触れることができるようになった。

幸福は快楽だ

人はいつ幸福を感じるのか?

人は、快楽を得ると幸福を感じるよう設計されている。
快楽は、人の幸福の一つだ。

人は、自分の遺伝子を子孫に伝えるよう、生存と繁殖を前提に、進化してきた。
人の生存と繁殖の上に、快楽がある。

生存のためには、食料が必要だ。人の歴史の大半を占める狩猟採集時代では飢えは日常、食事に貪欲な個体だけが生き残った。
我々は、食事に貪欲な個体の子孫であるから、食事で快楽を得て、幸福を感じる。

人は、繁殖のためには異性とのセックスが不可欠であり、セックスによって快楽を得る。
子孫を残すのに成功したのは、異性を獲得し、セックスし、子どもを産み育てた個体だけである。
そのためには、愛が必要である。
だから、人は、愛を求めて、セックスを繰り返す。

人は、食事とセックスの快楽によって、幸福を感じる。

快楽だけで幸福か?

幸福は、快楽だけからなるのか?

安価な食料が気軽に手に入るようになった現代では、簡単に手に入る快楽に洗脳され、大量の食事を取り続ける。
その結果、肥満が大きな社会問題になっている。

子育てに大きなコストがかかるから、人々はセックスを繁殖から切り離し、純粋な快楽として楽しむようになった。
その結果、人類最古の職業である娼婦が誕生した。

今では、食事やセックスという快楽は、金銭さえ払えば、好きなだけ手に入るようになった。

生理的な快楽は、脳内のドーパミンやエンドルフィンのような快楽物質が放出されると得られる。
将来、科学的に再現することが可能になるだろう。

生理的な快楽を自由に得られるようになったら、幸福かというと、もちろん、そうではない。

幸福になるためには、快楽だけでは足りない。

金銭があれば幸福か?

幸福になるためには、金銭か?

人が金銭を求めるのは、それが安心という価値と交換可能であるからである。
人は、ずっと不安のなかで生きてきたから、安心は幸福の一つだ。

我々は、金銭で、安心を買える資本主義社会の中で生きている。
資本主義社会では、知能が高い人だけが金銭的に成功する。
しかし、知能は遺伝的で、意図的に知能を高めることはできない。

一方で、金銭的に成功したからといって幸福になれるとは限らない。

金銭的に成功するには、時には、多くのモノを失うこともある。
その一つは、時間である。
家族や恋人や大切な人と過ごす時間である。

誰でも、金銭的成功を収めることができないし、金銭的成功したからといって、必ずしも、幸福ではない。

幸福の結論

幸福は、食事、セックス、金銭でもないなら、何か?

現代において、人が最も幸福を感じるのは、人と社会的な繋がりを持てた時である。
人から認知や承認され、信用を得た時である。

iTの発達によって、すべての人が、自分の好きな分野で信用を得ることができる時代になった。
幸福への近道は、金銭の多寡は気にせず、好きなことをやって、人から信用してもらうことだ。

人から、信用してもらうことで、その信用を金銭に交換することもできる。
例えば、インフルエンサー、オンラインサロン、クラウドファンディングである。

人は、今、好きなことをして、幸福を感じ、好きなことで信用を得て、幸福を感じ、時には、信用を金銭に換え、食欲や性欲を満たして、幸福を感じることができる。

人は、誰でも、幸福を作れる時代になったのだ。

「人は、いつ死ぬと思う…?」
「…人に、忘れられた時さ…!!!」
by ONE PIECE
【参考】
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

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