【本要約】MMT(現代貨幣理論)がよくわかる本

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【本要約】MMT(現代貨幣理論)がよくわかる本

2020/12/7

■貨幣の定義

日本の法律において「貨幣は金属を素材とする硬貨であり、紙幣は銀行券であり、通貨は貨幣と紙幣を合わせた概念である」と定義されている。

「物々交換経済から貨幣が発生し、商品貨幣・金属主義から、信用貨幣へと移行した」という説が主流となっている。しかし、貨幣経済史は、人々の贈与・信用関係から、計算単位としての貨幣が発生し、それを基礎に売買経済が構築されてきたとされている。

■MMT理論(現代貨幣理論)

MMT理論…貨幣を負債の一部とみなす。

例えば、通貨は、政府+中央銀行の負債、銀行預金は商業銀行の負債である。貨幣の創造は、信用の追加(負債の追加)という形でなされる。

■租税貨幣論

租税貨幣論…貨幣が流通するのは税が存在するからだ

政府通貨に徴税という最終消費先を用意することで経済に通貨が組み込まれる。

現実世界で、貨幣の大半は、紙幣ではなく電子データとして計上され機能している。これは、『通貨の本質がその記録にあるのであって、実体にあるのではない』という普遍的事実である。

税が貨幣の本質である。通貨は、国の信用、政府の信用といった曖昧な基準でなく、その通貨が政府に対する支払手段(納税手段)として使えることが、本来の役割である。

税は、人々に貨幣を稼得・保有するインセンティブを与える役割がある。政府は、民間の取引需要・貯蓄需要に合わせ、民間部門のための通貨を財政赤字によってわざと残す必要がある。

支出が先、税が後である。通貨は政府支出によって発行され、徴税は、通貨を回収するする措置である。政府支出が民間に通貨を供給し、税は民間の通貨を徴収するように働いている。民間が税を払うには、まず事前に政府支出による予めの通貨供給がなくてはならない。

国債は金利操作である。政府支出による事前の通貨発行が予め行われていなければ国債は発行できない。国債は銀行間市場の金利を操作のためにある。

<まとめ>
税は財源でない(税は既発通貨の回収措置)
国債は財源でない(既発通貨を代償とした債券の発行)
” 政府支出 = 通貨発行 ” によって民間に通貨が供給され、通貨の一部が国債に交換されている。
民間全体では累積財政赤字の分しか貯蓄することはできない。

■機能的財政論

機能的財政論…経済に与える効果がどのようになるかを考えて、政府の財政を決める。

” 経済に与える効果 ” の代表例

  • インフレ率
  • 失業率

インフレ率が高ければ財政支出を抑制し、インフレ率が低ければ財政支出を拡大させる。失業率が低ければ財政支出を抑制し、失業率が高ければ財政支出を拡大させる。

機能的財政論

  • 財政を、財政政策の経済的効果で評価する。
  • 現実の経済状況だけが財政政策指針の基準となる。

経済が、不況なら拡張、好況なら縮小
雇用が、不完全雇用なら、雇用拡大
不完全雇用…失業者やワーキングプアの増大

※機能的財政論では、税収や累積財政赤字は、問題視しない。

通貨発行者である政府の支出拡大(通貨発行)には、不履行リスクが原理的に存在しない。一方、通貨利用者である民間の支出拡大には決済上のリスクがつきまとうので、民間信用の相対的拡大に伴い、経済の不安定性は増加する。

税は通貨を回収する措置として機能し、その結果として、民間の購買力を低下させるように働く。徴税は、収入のためでもなければ、政府支出の元手でもなく、単に民間の純金融資産を減らす措置である。

税は、購買力低下というペナルティーを通じて、特定の行動を抑制することができる。タバコ税、ガソリン税、酒税という悪への課税である。

望ましい税制

  • 累進課税
  • 累進所得税
  • 累進資本所得税

不適切な税制

  • 消費税
  • 法人税(交渉力が強い企業への法人税増税は低賃金や価格上昇へと転嫁)
「転嫁」とは罪や責任を押し付けること。「消費税を価格に転嫁する」どうして転嫁には 『嫁』の言葉が入っているのか?「転嫁」には2度目の嫁入り、つまり、再婚の意味がある。
女性の再婚は、” 自分 ” や ” 自分と前夫との子ども ” の責任を、再婚相手である夫に押し付けること、という風に捉えることができる。

仮に、財政の支出が過大で、税が過少であったとして、それが引き起こすのは、総需要の総供給に対する超過(総需要 > 総供給)だけある。このとき発生するのは、 ” 現在 ” のインフレである。

現在の累積赤字の増加は、少なくとも実物面では、「将来へのツケ回し」にはならない。” 現在 ” の総需要超過にしかならない。

累積財政赤字が過度に大きいなら、現時点ですでにインフレになっているはずだ。

「将来へのツケ回し」とは、現在の財政の支出過少が引き起こす生産資源の利用不足(失業者や、遊休資本など)や実物生産投資の不足につながる。

■信用貨幣論

信用貨幣論…通貨とは負債を記録したデータ(負債証明書)である。

負債証明書のことを英語でIOUという。IOUは、「I Owe You(私はあなたに対しての負債がある)」の略語である。発行した人が資産を譲渡することを約束した負債証明書が、人から人へ渡っていくようになったら、それを通貨と呼ぶのである。

銀行貨幣は、銀行の投融資によって、銀行の負債として無から創造(信用創造)される。

B/S的に考えると、投融資の際に、銀行の資産面に貸付債券、負債面に銀行預金(銀行貨幣)が計上され、返済の際には、貸付債券と銀行預金が、同時に消滅する。

信用創造の誤解と事実

(誤解)銀行は現金を又貸ししている。

(事実)銀行は貸出の際、銀行預金を新規発行して交付している。

(誤解)銀行は貸出の際に同額の現金を準備しなければならない。

(事実)銀行は貸出の際、銀行預金を新規発行して交付している。

(誤解)銀行貸出は準備預金額や法廷準備率に制約される。

(事実)貸出は借り手の信用度や銀行の自己資本、金融規制が制約である。

実体経済では、現金による決済よりも、銀行預金による決済が大規模であり、決済の主役は通貨(統合政府貨幣)ではなく、銀行貨幣である。

統合政府…政府+中央銀行

信用貨幣論…貨幣は、銀行の負債、政府の負債、借用証書として発行される。

貨幣は経済を回り続ける財ではなく、発行主体(政府+中央銀行、銀行)の負債なので償却を受けて、消滅する。通貨の場合は、徴税で、銀行貨幣の場合は、銀行への支払いで、消滅する。

貨幣と経済の因果

(誤解)貨幣水準増減→好況・不況発生

(事実)好況・不況による支出変動→貨幣水準増減

ハイパーインフレは、価格管理政策によってもたらされた。

MMT(現代貨幣理論)がよくわかる本

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