【本要約】外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話

投資

【本要約】外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話

2021/3/12

序章

お金で苦労しないために1番大切なことは、「正しいお金の知識」を身に付けることである。

しかし、学校では「正しいお金の知識」を教えてもらえない。

外資系金融マンの筆者が、自分の子どもへ向けて書いた本が、本書である。

そして、筆者は、自分に何かあった時に、本書を妻に託すと言っている。筆者が、死してもなお、子どもに伝えたいメッセージである。それは、子どもへの遺書である。遺産である。

子どもに伝える知識

「無駄遣いせず、貯金しなさい」は、親のアドバイスとして、不十分である。

お金とは何か?
経済とは何か?
お金で苦労しないためにはどうすればいいのか?

金融知識を子どもに教えなければならない。

GDP
その国が1年間にどれほどの利益を生み出せるかである。経済規模ともいう。
GDPを、最もかんたんに増やすには、人口増加である。
GDP = 人口 × 1人あたりGDP
人口が減れば、1人あたりGDPを増やせない限り、GDPは減り、GDP成長率もマイナスになる。
名目成長率
GDPの前年と比べて何%増えたか
実質成長率 = 名目成長率 ー インフレ率
インフレ
世の中の様々なものの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がること。
インフレ率
前年と比べて何%物価が上がったか

デフレ
世の中の様々なものの値段が全体的に下がり、お金の価値が上がること。

かつては、銀行の預金金利が8%という高度成長時代があった。その時代は、投資の勉強をせずとも、銀行にお金を預けておくだけで、お金がどんどん増えていった。

その前衛的な思想が、前述「無駄遣いせず、貯金しなさい」という表現に集約されている。現在では、0.00X%という時代である。

高度成長時代に金融教育を受けた人は、ほとんどいない。しかし、現在の日本は、低成長時代である。

  • 収入は増えない
  • 貯金は目減りする
  • 税金は増える

だから、「正しいお金の知識」が必要である。お金のことを勉強し、お金のことを一生懸命考えなくてはならない。

日本の高度成長の背景は、人口の多さと若年層中心の人口構成である。そして、現在は、人口減少と少子高齢化による低成長時代である。それに伴い、国の財政も悪化の一歩を辿っている。財政悪化を食い止めるために増税して、さらなる景気悪化を招いている。高齢化によって、現役世代は、増税と社会保障費の増加で、さらなる収入低下が見込まれる。

インフレが起これば、お金の価値は下がる。超低金利時代では、預貯金と不安定な年金制度だけで、老後の安定した生活は得られない。そこで必要なのが、資産運用である。かつての高度成長時代のように成長している国に投資してお金を増やす必要がある。

お金の価値

モノの値段は、買いたい人(需要)と売りたい人(供給)のバランスで決まる。外国為替レートや株価も同じである。

  • モノの値段は一定ではなく、需要と供給のバランスや、買いたい人の購買力によって変化する。
  • モノの値段が変わるということは、モノを手に入れる対価としての「お金の価値」も変わる。

国の経済が成長すると、それに伴い、人々の所得が増えて購買力が増し、様々なモノを買う需要が増し、自然にインフレが発生する。一方で、成長率が低い状態で、収入が増えない状態で、インフレだけが進んで、物価が上がることもある。

例えば、2015年安倍政権下では、この状態を目標としている。実質成長率の低い状態で、金融緩和策で、毎年2%のインフレになるようにして、名目成長率を3%にしようとするのが、アベノミクスである。低成長で収入は増えず、低金利で預貯金は増えず、物価が上がるということである。

政府が高いインフレを目指すのは、インフレが政府の借金を目減りさせ、税収を増やすからである。

経済の基本

  • モノの値段は、買いたい人(需要)と売りたい人(供給)のバランスで決まる。
  • モノの値段は、買いたい人の購買力によっても変化する。

買いたい人の購買力とは?
人のモノを買う力の上限までいったら、それ以上値段は上がらない。新しい人が来て、その人のモノを買う力が上回ったら、値段は上がる。

【お金の本質】
お金の「額面」ではなく、お金が持つ「購買力」である。お金の価値は一定ではなく変化する。

お金を貯めることは大事だけど、もっと大事なのはお金でモノを買う力を貯めること。そのためには、モノの値段が上がるのと同じか、それ以上のペースでお金を増やす必要がある。

自分で働いてお金を稼ぐだけでなく、持っているお金を使ってお金を稼ぐことができる。

貯金箱に入れておいても、お金は増えない。しかし、そのお金を必要としている人に貸せばお礼(利息)をもらえる、すなわち、お金を増やせる。

動植物は、育てる環境によって、良くも悪くも育つ。お金も、育てる環境次第で育ち方が変わる。
経済環境の良い国では、お金は大きく育つ。一方で、経済環境の悪い国では、お金はあまり育たない。

お金には、フローとストックがあることを理解する。フローは出入りのことで収入であり、ストックは貯めたモノであり貯金である。

お金のストックは、新たなお金を生み出し、さらにストックを増やすことができる。このフローとストックの概念を理解していないと、大人になってからも、使えるお金を増やす方法が、「もっと稼ぐ」か「節約する」しかなくなる。

お金を生んでくれるストックの存在が、お金に苦労しないために必要である。ストックには、お金を生まないストックと、お金を減らすストックが存在する。

  • お金を生むストック … 預金や投資
  • お金を生まないストック … タンス預金
  • お金を減らすストック … 自家用車やマイホーム

借金は、負のストックそのものである。

  • 将来の収入が、借りたお金を返すために使われる。これは、将来の収入が、借りたお金でいま買う車に置き換わること。将来の収入が、価値がどんどん低下していくストックに変わる。
  • 借金の利息を支払うという、新たなマイナスのフローが生まれる。
  • 買った車の維持費という、新たなマイナスのフローが生まれる。

利息を支払うことで得られるものは、時間だけである。

借金は、将来に渡って借りたお金を返済していき、返済までの間の利息を支払っていくという義務を負うということである。

そして、お金を借りて買ったモノは、買い替えが難しい。

人は、労働によって、お金のフローを作っている。

【労働】
「誰かが自分のすることにお金を払ってくれる」ということ。「誰かがお金を払ってもいい」と考えられるようなことをしなくてはお金を稼げない。

学校で様々なことを学ぶのは、社会に出てお金を稼ぐための能力を、身に付けるための修行だと、子どもに教える。

学校の勉強は、将来、自分が望む仕事の選択肢を狭めないためにする。

好きになって熱中してしまう力が、最大の武器である。楽しんでやっている人には勝てない。

決算書とは?

決算書を読めるようになることで、世の中のお金の流れがよく見えるようになる。これまで理解できなかった経済や金融のニュースや身の周りのことが、理解できるようになる。

決算書の読み方を覚えることは、お金の流れが見える特殊なメガネを身に付けるようなモノである。

決算書の読めるようになることは、英会話より身近な、お金の世界の言語を理解できるようなモノである。

決算書と簿記は違う。

簿記は、決算書を作る際の各社共通のルールのことである。

決算書の基本

ストック … 貸借対照表:ある時点のストックを写真で撮ったイメージ
フロー … 損益計算書:ある期間のフローをビデオで撮ったイメージ
貸借対照表
資産・負債・純資産 ( 資産 − 負債 ) を、まとめたモノ
損益計算書
・その期間で、「いくらお金が入ってきて、いくらお金が出ていって、その結果いくら儲かりました」というモノ
・「商売の構造のどこがよくて、どこが悪いのか」を明らかにしながら、その数字を見せてくれるモノ

損益計算書を理解することで、大事なことは、「いくら利益が出ているのか」という部分で、決して売上高ではない。

【商売の基本】
売上高 − 売上原価 = 売上総利益
キャッシュフロー計算書
・その期間の入出金をまとめた表である。
・企業の行動を次の3つに分類する。
  1.営業活動 … 商売の部分
  2.投資活動 … いろんなモノを買ったり、工場を建てたりする行動
  3.財務活動 … 銀行からの融資、社債や株式の発行

資本主義

今の日本は資本主義社会で、我々は資本主義のルールの中で暮らしている。江戸時代までの日本は、封建主義社会であった。

資本主義社会の基本的なルールを知らずに、ただガムシャラに勉強したり働いたりするのは、ルールも知らずにサーカーのグラウンドを走り回っているのと同じである。

資本主義は、資本家と労働者で成り立っている。

  • 資本家 … 資本を持っている
  • 労働者 … 自分で働く労働力しか持ってない

資本とは、利益を得るための商売に必要な元手のことである。資本を持っている資本家は、自分が働くしか売り物がない労働者から、労働力を買う。

【資本主義社会】
資本家が労働者の労働力を買って利用して、利益を生み出し、資本家のお金を増やす社会である。

資本家は自分が働かなくても、自分が給料を払っている労働者が働いて作り出した利益を得ることができる。

会社員も、社長も、労働者である。資本家とは、会社の株式を持っている株主である。

会社とは、社長を含む労働者を雇い、労働者に給料を払って働かせて、資本家である株主が利益を得るための組織である。

株式はお金を生むストックである。株式を買って、会社の資本家となることで、お金を稼ぐことができる。

資本主義の仕組みとルールをきちんと学んででいれば、有名大学を出て有名企業に就職するということは、あくまで労働者としての道であることが理解できる。

投資

株式
・会社の利益の一部を配当金として受け取る権利
・会社が倒産や解散するときに資産を処分して借金を返した後の残りをもらう権利
・会社の大事なことを決めるときの権利
債券
債権を証券にしたものである。

会社は、株主の資本を増やすための組織であり、お金を貸した債権者のお金を増やすための組織ではない。

社会主義や封建主義社会の労働者には、自由がなかったが、資本主義社会の労働者は、自由と権利がある。労働力を売る相手を自由に選ぶことができる。

誰でも資本家になれるけど、出資できるだけのお金を貯めなくてはならない。そのためには、労働者としての価値を高める必要がある。労働者としての価値が高ければ、自分が労働力を売る相手や、自分がやりたい職業を選びやすくなる。

労働者として働いて貯めたお金のストックから株式を買って資本家になる。自分が働きたい会社がなければ、自分でお金を出して会社を興して資本家になる。

投資はやった方がよいことではなく、必要なこと、欠かせないことである。

【投資の定義】
お金を増やすために、お金を増やしてくれそうなものを買うことである。

” お金を増やしてくれそうなもの ” だから、” 確実に増える預貯金 ” は、投資ではない。

預貯金ではなく、投資が必要なのは、理由がある。預貯金は、利息が低く、インフレ率を上回る速度でお金を増やすには、不十分であるからだ。投資はリスクがあるが、インフレ以上のペースでお金を増やすことができる。

預貯金の元本保証は、利率が低く抑えられ、インフレに勝てず、お金が目減りしてしまう。多くの人は、お金を減らしたくないと考えて、額面を減らさないことを第一に考えた結果、お金の価値が減ってしまう可能性が高いものを選んでいる。

投資はお金を増やすために必要であるが、お金を減らさないためにも必要である。

投資はすぐにはじめる。投資の勉強は、実際に投資をするのが1番である。小額なら失敗しても、ダメージが少なくて済む。投資の1番の武器は、時間である。

【投資の基本】
分散投資
長期投資

投機は、短期間の価格変動による値上がり益によってお金を増やそうとする。

投資は、投資先の資産が本源的に持っているお金を増やす力を、使って、時間をかけてお金を増やそうとする。短期の売買を繰り返さない。

債券や預貯金は、その本源が、借金であるから、インフレに弱い。

株式

株式の1株あたり利益 = 利益 ÷ 総株数
PER = 株価 ÷ 株式の1株あたり利益
※株式の1株あたりの値段が、その会社の稼ぐ1株あたり利益の何年分に当たるか。
債券の利回り
 直接利回り(直利) … 投資した金額に対して何%のインカムゲインを得られるか
 最終利回り(終利) … インカムゲインと、債券が償還されたときのキャピタルゲインの、合計

株式の価格は、需要と供給のバランス、売り手と買い手の合意で決まる。

ギャンブルは、ギャンブル運営する人の利益が差し引かれるので、必ず、期待値がマイナスになる。ギャンブルする人と、運営する人とのゼロサムゲームである。

一方、投資は、期待値がプラスになるものにお金を投じる。

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