人間を行動に駆り立てるものは何か?
2021/6/23
モチベーションの進化
社会は、法律・文化・経済といった世の中の規約に基づいている。社会は、人間の本能・行動を前提とした仕組みである。→モチベーション1.0
社会の仕組みが複雑化していくと、モチベーション1.0だけでは、社会を制御できなくなった。
報酬を求める一方で、罰を避けたいという動機に基づいて、モチベーション2.0が生まれた。
報酬は、興味深い仕事を、決まり切った退屈な仕事に変える。遊びを仕事に変える。
モチベーションの定義
原始時代は空腹を満たしたり、生殖など生存本能に基づいたモノ
工業化社会になって、サラリーマン社会ができ、成果主義
OSが機能しなくなり、モチベーションの意義が問われている。
内なる動機「やる気」
→結果を求めるのではなく、そのプロセスを正しく踏む
先進国の仕事の大半は、付加価値のあるクリエイティブな作業である。
【生物の行動に対する動機付け】
生理的動因
・空腹を満たすために食べる
・喉の渇きを潤すために水分を取る
・性欲を満たすために性交する
外部起因
・報酬
・罰
【第3の動機付け】
課題に取り組むこと自体が、内発的報酬にあたる。
「楽しい」という喜び自体が報酬となる。
自ら、学びたい、創造したい。
【行動し影響を与える効果】
- ネガティブ側面 … 報酬は、遊びを仕事に変えてしまう。
- ポジティブ側面 … 上達しようと集中することは、仕事を遊びに変えられる。
モチベーション3.0
【モチベーション3.0】
- 自律性
- 熟達
- 目的
【特徴】
- 素晴らしいチームと仕事がしたい。
- 仕事を通じて社会に還元したい。
- 金銭を最重要の報酬と見なしていない。
自律性
自己決定である。
【自律と独立】
- 自律は、選択して行動すること
- 独立は、誰にも頼らない1人で行動すること
【自律】
- 他者から制約を受けずに行動できる
- 他者と円満に相互依存ができる
自律性は、個人のパフォーマンスや姿勢に強い影響を与える。
【自律性】
- 課題:何を
- 時間:いつ
- 手法:どのようなやり方
- チーム:だれと
自律の反対は、統制(コントロール)である。
- 統制 → 従順な態度 ( モチベーション2.0 )
- 自律 → 積極的関与 ( モチベーション3.0 )
フローの状態では、目標がハッキリしている。フィードバックがすぐに返ってくる。” やらなきゃならないこと ” と、” できること ” の相関性がピッタリと一致する。課題は簡単過ぎず、難し過ぎない。しかし、現在の能力よりも1〜2段高く、努力という行為がなければ、到達できない。コレによって心身が整う。
熟達
自分が取り組んでいる課題が、自分の能力と整合していて、最適に設定されている。
【熟達】
- マインドセット ( 心の持ち方次第 )
- 長期目標を達成するための忍耐力と情熱
近付くことはできるが、完全な実現は不可能である。人は完全に到達できないものを求める。それが魅力的であるのだ。到達しようとすることに価値がある。
目的
人間は、本能的に、人生の意義や目的を探す。
自分以外の人・モノ・社会の利益に貢献する目的を求める。
- 利益を手段として目的を達成する
- 自己の利益以外を強調する
- 自分の思い通りに目的を追求する
目的は、自律性と熟達の、影の役割を果たす。
自らの欲求を、自分以外のより大きな目的に結び付けることで、高い成果を上げることができる。目的は人生を活性化する。
モチベーション3.0的思考
ルール
- 内発的抱負 ( 目的思考型目標 )
他人の人生の向上に手を貸し、自分も学び成長したい - 外発的抱負 ( 利益思考型目標 )
自分も金持ちや有名になりたい
目標を達成した両者で、幸福度は、目的思考型の人の方が高かった。
利益思考型の人は、金儲けや自分のことに精一杯で、愛情・配慮・思いやり・共感など、本当に大切なことにかける余裕がなくなる。
マネジメント
社員が最高の仕事をできる環境を作り出すことがマネジメントの本質である。
会社が基本的な報酬ラインを、満たしていれば、金銭は、業績やモチベーションにそれほど影響を与えない。
自分の好きなように仕事をする自由の方が、昇給より価値があり、得がたいものだ。
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