娘の9歳の誕生日[2022/4/1]

湯浅

娘の9歳の誕生日[2022/4/1]

2022/4/1

道を間違えた。
道を間違えたことはわかる。
道を間違えたことは事実である。

道を間違えていなかったら、私の隣には、娘がいるはずだ。私の隣に娘がいないならば、それは道を間違えていることに他ならない。

それでも、後悔していても、私には、同じ道しか歩めない気がする。私は私の道しか歩けない。私が私足るためには、この道は、必然だったのだ。

結局、現在からしたら、人間というものは、過去を否定できない。後悔していても、必然としか受け止められない。私たちは、自己否定はできない。

「 自分しか好きにならないのが人間という動物だ 」と岡田斗司夫が言った。

私は私の枠を出れない。
「 自分が好きだ 」という枠からしか物事を判断できない。

私が好きなのは、娘だけど、娘以上に好きなのが私なのだ。
私のためには死ねないけど、娘のためなら死ねるとしても。

私が見ているのは幻想で、過去で、記憶で。今は見えないから、見えるものを見るしかなくて、そしたら、それは、目の前の現実にはなくて、頭の中にしかない、幻想でしかない。それでも、幻想でも、やっぱり、娘がいてくれてよかった。娘なしに、今の私はいない。

今は、どこかで、笑っている娘がいてよかった。
娘は、この世界のどこかに存在していて、そして、笑顔で誕生日を迎えている。
ただ、今の私には見えないだけだ。

私には娘と過ごした人生がある。
それが、私の誇りだ。

娘の9歳の誕生日に三ツ池公園にて[202219/4/1]

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