私のスタートライン

湯浅

私のスタートライン

2022/3/31

人生

人生は長いようで短い。
あっという間に過ぎてしまう。
人生は、死というゴールに向かって進むのではなく、未来の目的に向かって進むものだ。

人はこの世界に生まれ落ちた瞬間に、死というゴールを設定される。私たちはそのことを知りながらも、死を意識して、毎日を過ごすことはない。怖いからだ。日常生活の中で、常に死を自覚しながら、生きてはいけない。

ただ、なんとなく、敷かれたレールの上を走る。いい大学、いい会社、結婚、子ども、家、、、そういう、何かの指針がなければ、生きてはいけない人が、ほとんどだ。ほとんどの人は、自由を欲していない。

自由の刑

【本要約】史上最強の哲学入門
西洋哲学は無知を前提として、無知を自覚して、真理の到達を階段式に目指す。一方、東洋哲学は、そもそも理解することは不可能である。
サルトル『 自由の刑 』
自由とは、何が正しいのかわからないのに「 好きにしろ 」と放り出されてしまった不安定な状態のことである。

人生において「 何をすべきか 」という重大な問題について「 あなたは、これをしなさい 」という正しい価値観を、神様も国家も学校も誰も教えてくれないのだ。だから、私たちは自分で決めなくてはならない。失敗や間違えに怯えながらも、不安の中で、正しいかどうかもわからない何かを決断して生きていかなくてはならない。そして、その決断は、自由である。

これから先の10年後、20年後に、過去の決断を後悔しているかもしれない。

でも、それについて、誰にも文句は言えない。なぜなら、自分で選んできたことだからだ。自分の選択で失敗しようが後悔しようが、その選択の全責任を負わされる。

人間は自由の刑に処せられている。

私の自由

サルトルは『 自由の刑 』と言った。
「 人間の自由は、刑である 」とした。

私は「 自分の人生に選択の全責任を負うということが、人生の醍醐味である 」と捉えている。

全部自分のせいだから、全部自分の好きなようにできる。自分の好きなようにして、他人のせいになるならば、それは、自由ではない。他人の自由を侵害しない限りにおいては、全部自由にしていい。全部好きにできるから、全部自分のせいだ。間違えても、失敗しても、うまくいっても、成功しても、すべて自分のせいだ。自分のせいだから、自分の好きにできる。

誰かに決められた人生なんて、クソ喰らえだ。
誰かに決められた人生で、不都合が起きたら、誰のせいにすればいいのか?
誰かって誰だ?

だから、自分で決める。自分の意志で決めるのだ。

しかし、自由意志は、幻想である

【本要約】はじめての構造主義 ( 橋爪大三郎 )
交換の媒体である貨幣 ( 価値 ) は、人々を巻き込む交換システムの力の象徴になっている。媒体には、何か使いみちがない方がいい。下手に使いみちがあると、自分で抱え込んでしまって、交換に参加しなくなるからだ。

人間は「 自分の行動や判断を自由に決定している 」と思っているが、社会や文化の影響を受けて、支配されているので「 自由に決定している 」わけではない。

  1. 私たちは、ひとりで大きくなったわけではない。
    誰かの力を借りて、親に育てられて成長した。
    学校へ行って、仕事をして、これまでの人生を歩んできた。
  2. その間に、様々な人たちから、テレビから、マンガから、本から、影響を受けている。
    誰からも何の影響も受けずに、大きくなることはできない。
  3. その影響によって、私たちは、コントロールされているわけだから、本当の意味での自由意志は、そもそも存在しない。
【本要約】評価経済社会 ( 岡田斗司夫 )
「 考える 」という行為自体、必ず「 学んだ言葉 」を使うことが前提だ。 「 学んだ言葉 = 誰かが使った言葉 」である。 言葉を模倣し、使いこなすことを、私たちは「 考える 」と呼んでいるに過ぎない。

それでも、私は自由を欲する。それが、誰かに刷り込まれた自由であっても構わない。本当の自由でなくとも構わない。私は、私の自由を得たい。私の自由を得るためには、私の自由の定義が必要である。

・経済的自由 ( お金 )
・肉体的自由 ( 健康 )
・人間的自由 ( 家族・友人、すべての人間関係からの解放 )
・生活的自由 ( 好きなときに、好きな場所で、好きなこと )
自由ってなんだ?
私は、自分自身のことを理解しているつもりだ。自分自身の思ったように生きるのことが自由だから、私は自由に生きたいのだ。自由こそ、私の最も欲するモノだ。自由以上に価値があるモノはこの世界に存在しない。それが私の価値観である。

そして、「 私がなぜ、自由を欲するのだろうか 」ということについても思考を深めなければならない。

「 私は、何を不自由に感じていて、なぜ自由を求めるのか?」

自由を渇望する理由まで、掘り下げることで、はじめてスタートラインに立てるはずだ。

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