【本要約】君に友達はいらない

【本要約】君に友達はいらない

2020/12/12

【全体要約】

現代は、グローバル資本主義の時代である。グローバル資本主義の本質は、人間一人一人の少しでも良いものを少しでも安く買いたいという思考の集積である。グローバル経済とは、人間の欲望の総計として、必然的に生み出されているものである。

商品がコモディティ化し、人間もまたコモディティ化している。人間がコモディティ化から逃れ、人間としてより豊かに幸福に生きるためには、「仲間」を作ることである。

株式会社という組織を筆頭に、かつて有用だった仕組みが緩やかに解体されて、再構築される途上にある。既存の組織や枠組みに替わって個人が緩やかなネットワークでつながり、その連携の中で仕事をし、プロジェクトベースで離合集散するという世界観が、現実のものになりつつある。この世界観が、グローバル化が進展する時代の幸福な生き方である。

●天動説

天動説が消えたのはなぜか?

ビジネスの世界では、業界内で何か革新的な変化があった際などに、パラダイムシフトが起こったという。人類史上、自然科学の最大のパラダイムシフトは、天動説から地動説への転換である。

それは、世代交代によって、世間に受け入れられた。古いパラダイムを、信じている前の世代を説得して意見を変えさせるのは、不可能である。

自分たちの信じる新しいパラダイム、必要とされるパラダイムの信奉者を少しずつ増やしていく。世の中を変えるのは、いつの時代も、世界のどこであっても、古いパラダイムや価値観に捉われていない新人である。

新しいパラダイムも、1人だけの力では世の中に広めていくのは難しい。自分とビジョンを共有し、その実現に向けて行動する仲間を見つけ出して、初めてスタートラインに立つことができる。

歴史というのは、後世に「作られる」ものである。

著者は、人を観察し、 ” どういうチームであれば成功できるか ” をエンジェル投資家として学んできた。本著は、「仲間の作り方」と「投資哲学」の解説書である。

■ウォーレンバフェットの投資

「愚かな人間でも経営できるような企業を探しなさい。いずれ、そういう人間が経営者になるのだから」

ウォーレンバフェットは、事業テーマに着目している。

■著者のエンジェル投資

企業が取り組む「テーマ」よりむしろ「人」や「チーム」に投資する。

投資するのは、時流に合わせて商品すらも変えていくベンチャーだから、経営者の見極めが重要である。

会社のステージ毎に、いろんな人材が必要となってくる。経営者1人が、持っている強みだけで、会社を大きく成長できることは、まずありえない。会社の成長スピードに合わせて、その時点での成功に必要な人材を、どこからから探してきて、評価をして、「人に投資する」必要がある。

ベンチャーが、3年以内に倒産するのは、 ” 必要な時に必要な人材を集めることができなかった ” からである。

ベンチャーを成功させるために、いろんな人脈を「投資」する。その人脈投資が回収できるかどうかで、ビジネスの成功のほとんどが決定する。投資で成功するためには、どれだけの生きた「人脈」を持っているかが、決定的なファクターとなる。

●秘密結社

本著は、高い目標や志を持ちながら、その目標のために、自分の強みや弱みを冷徹に受け止めて、現実的かつ確実に努力して成果を上げていく人たちに向けての本である。

「やりたい仕事、属したい組織がなければ、自分で作るしかない」人間は、合理的に動いていない組織に長期間属していると、物事を合理的に考える能力が低下していく。仲間づくりとは、「今いる場で、秘密結社を作れ」ということである。秘密結社は、世の中を何らかの形で変革しようという目的のもとに作られる組織である。

日本国憲法では「結社の自由」という条文がある。戦前は、結社が自由ではなかった。国のあり方や政治について話し合うには、秘密結社化が必要であった。

秘密結社で有名なフリーメイソンは、カトリックを中心とした既存の権力を握る勢力に対して、団結して反旗を翻した。彼らの信奉は、既存の権威ではなく、人の理性だった。王権よりも、神に与えられた人の理性を信じるというのが、彼らの考えの根本にあった。

●チーム

最初に目的があり、目的のために仲間を集める。そして、目的が達成され、互いに必要とする時期が終われば、離れていくのが自然である。

よいチームとは?

  • 少人数である
  • メンバーが互いに補完的なスキルを有する
  • 共通の目的とその達成に責任を持つ
  • 問題解決のためのアプローチの方法を共有している
  • メンバーの相互責任がある

チームの目標は、非定型的 = 前例がなく、とても高い目標である。自分で考え、リスクをとって、成果を生み出せば、自分に対してある種の自信が生まれる。よき友は探すのではなく、共に働いていく中で、作られていく。

●人脈

経済学の原則として、 ” 増え過ぎたものは価値が急激に低下する “「人脈」もまた同じである。ネットの普及により、人脈は、インフレ化した。

モノも知識も、たくさん持ち過ぎると、それを自分がコントロールしていると思いながら、逆にそれらに縛られてしまうことがある。それを防ぐためには、自分の持つモノや知識を手放した方がいい。持っているものが多いことよりも、必要なものが少ないことが貴い。

仲間も同様に、数よりも、少数でその質が問われる。

●教養

教養とは他の見方が存在しうることを知ることである。

自分自身の力で世の中にまだない知見、発見を生み出したいならば、まず、世の中で既に明らかになっている知識は、徹底して効率的に学ぶことである。

教養の持つ大切な機能の一つが、自分と違う世界に生きている人と会話できるようになること。

●会社

経営者としてビジネスを成功させるのと、学歴の間には、強い相関はない。受験のようなペーパーテストで高い点数を取ることと、現実社会で事業を成功させることには、全く違う種類の能力が必要となるからだ。

今、自分にある手持ちの資産をどう活用すれば、求める人的コミュニティとつながることができるか、考えることだ。身を置くコミュニティ、ネットワークは、多様性が担保されてなければならない。チームのメンバーは、多様性があればあるほどいい。

会社
・社会に多様性をもたらすための存在である
・人々の生活を効率的に運営するための手段である

ありとあらゆる商品やサービスを提供する会社が存在するからこそ、現代の資本主義社会は成立している。

●ネットワーク

自分にとってより価値の高い「つながりの場」を、見つけるために、弱いつながりという概念が重要である。弱いつながりであっても、つながっている相手との信頼性は必要である。

自分の持っているリソースや、バックグラウンドと、全く異なる人とつながった方が、大きな価値が生まれる。自分と強い絆を持っている人は、自分と似たような情報、似たような思考様式、似たような人脈しか持っていない。既に自分が所有しているリソースに対して新たな付加価値をもたらす可能性が低い。

しかし、自分と全然違う領域に住む人は、これまでの自分が知り得なかった知識や考え方、出会ったことのない人脈、気付かなかったネットワークなどを持っている。

ネットワークというものは作ろうと意図して作れるものではなく、自然とできあがってしまうものなのだ。自分がどういう人間なのかによって、ネットワークは決まってしまう。

” Give Give Give Give Give ” によって、Giveのネットワークができる、そのネットワークは、自然的に大きくなり、情報や交流の流通量が高まれば高まるほどそこネットワークの力は大きくなる。

成功というのは、その人のまわりの人の成功によって決まる。

ネットワークの棚卸し
自分が頻繁に会っているのはどういう人か
たまにしか会わないけど、自分にとって重要な人は誰か
どれほど多様なコミュニティに属しているか
自分の近くにいる人で、別のコミュニティのハブとなってくれそうな人はいるか

自分の置かれている環境は、自分が過去にしてきた意思決定の反映である。

●ヒーローズジャーニー

成功を遂げたチームに共通するのは、スタートからゴールの達成まてが、一つの映画作品や優れた小説であるかのように、側から見る人に感動を与える。

ヒーローズジャーニー(英雄の旅)

  1. 天命
    主人公の上にある日、天からのミッションが降ってくる。
  2. 旅のはじまり
    目的地は遠く、どうすれば行き着くことができるかもわからないが、主人公は、ともかく出立する。多くの場合、主人公は最初は弱くて、なんのスキルも持たない。
  3. 境界線
    主人公は運命に導かれるようにして旅を進める。その中で最初の関門が訪れる。主人公は、境界を守るものとの戦いに挑み、それに打ち勝つ中で力を高めていく。
  4. メンター
    主人公に立ちはだかる障害、困難を乗り越えるための力を与える庇護者が現れる。老人や賢者の姿を取ることが多い。
  5. 悪魔
    主人公の旅にとって最大の難関であり、敵と遭遇する。命を賭けた戦いが行われる。
  6. 変容
    主人公は困難を克服するプロセスを経て、旅に出る前とは決定的に変わる。ひと周り大人に成長する。
  7. 課題完了
    変容したことによって新たな力を身に付けた主人公は、旅の目的を達成する。
  8. 故郷へ帰る
    英雄となった主人公は、出立の場所へと帰還する。そしてまた新たな使命へと旅立つ。

ヒーローズジャーニーにおける天命は、ビジネスの世界ではビジョンと呼ばれる。

ビジョン
チームを通じてどんな目的を達成したいのか?
どのように世界を変えたいのか?

人はデカすぎるビジョンを掲げる、穴だらけの人物に注目する。

最初に掲げるビジョンは大きければ大きいほどよい。同時に、それは多くの人が共感できる普遍的なものでなければならない。

ヒーローズジャーニーの主人公は、大抵最初は何もできない。主人公にあるのは、冒険に乗り出す意思と、波瀾万丈の運命だけだ。

●ビジネスにおけるヒーローズジャーニー

現代のビジネスにおけるチームアプローチも同じである。リーダーがビジョンを示し、それに賛同して集まった仲間とともに事業を継続していく中で、自然と自分のポジションが決まっていく。自分は探すものではなく、周囲との関係で決まっていく。

ゲームのルールが変わった時に、チームに残ることができるメンバーは新しい状況下でどのように動けばいいのか、どんなスキルが必要なのか、自分で考えて判断できるものに限られる。

  • 自分の人生を他人任せにはできない
  • 成功するかどうかは不確実でも、自分自身の人生、運命は自分で切り開いていく

全員が未経験だから、やってみなければわからない。いろんな分野に才能がある人ほど、中途半端にどんなポジションにも、適応してしまうので、大成しない。特定の才能しかない人が、正しいポジションに身を置いた時に、パフォーマンスは最大化する。

顧客を自分たちの仲間に引き込むという姿勢は、ベンチャー経営には必須である。商品を買うことで得られるメリットが明確でない場合、顧客や投資先をチームに引きずり込みその商品のファンとなってもらう。そして、一緒に広報活動や販売に取り組んでもらうようにする。

●ラベリング

素晴らしいビジョンを考えても、うまく伝えられなければ仲間も集まってこない。そのためには、自分のラベリングである。ラベリングには、自分へのフィードバック効果がある。人は、他人から、お前はこういう人だと規定されることで、自然とそうなっていく。

ラベリングの目的は、人に評価判断してもらうことである。

自分のラベリングには、ストーリー性が大切である。

  1. 間違っていることをしている過去
    自分の状況に違和感があるが、その状況から脱しようとしてない。
  2. イベントがおこる
    否が応でも、理不尽さに向き合わざるを得なくなる。
  3. 心境の変化
    イベントによって、このままではいけない。間違った仕組みを自分が変えなければいけないと思い立つ。
  4. 行動
    旅に出たり、仲間を集めたり、敵と戦ったり、現実の変革に向けて動き出す。
  5. 結果
    行動したことによって、世界に変化が起こり、違和感や理不尽が解決される。

●ロマン

ロマンはというのはビジョンに通じるものだ。

自分はこのように社会を変えたいというロマンは、自分の私利私欲のためではなくて、社会のみんなが応援したくなるようなものだ。
ロマンの実現にはソロバン(お金、時間、労力のコスト計算)をきちんと考える必要がある。

ロマン
 「お金を払っても解決したい」と思えるような非効率
多くの人の満たされないニーズ

●自己紹介

自己紹介の目的は、「相手が、自分を知りたい」と興味を持ってもらうこと。

3分で自分のストーリーとビジョンを魅力的に伝える訓練が必要となる。

  1. ストーリーのコアを作る
  2. ターゲット毎に話の内容をカスタマイズする
  3. 実際に3分で話す
  4. 他人からのフィードバックを得る

ロマンやストーリーは、みんなが関心を持つ何かしらの共通項や、公共的な利益に結びつくものでなければならない。

自分のラベリングやストーリーを語ることの目的は、チームの仲間候補に、「なぜ、あなたと仕事をしたいのか」を理解してもらうことにある。

「企業は人によってできている」がゆえに、優秀な人材をいかに継続的に確保できるかどうか、企業の繁栄に関わる。

●良いチーム

よいチームのほとんどは、必要最低限の人数しかいない。

  • 「自分がこれをやらなければ、チームが崩壊する」というミッションが各人に与えられている。
  • 「1人の失敗が、即、全員の失敗」となる。
  • 「今、与えられている戦力でどうにかする」というのが、あらゆるチーツの戦略において必要な姿勢である。
よいチームの構成メンバー
勇者
魔法使い
エルフ
ドワーフ
トリックスター
  • 勇者(ビジョンを掲げるリーダー)
    ビジョン実現こそが自分の使命であるという強い確信だけは持っている勇者は、危機的な状況においても、決して諦めることなく、切り抜けることが多い。リストをいとわず、非論理的な決断をする。
  • 魔法使い
    勇者にとってのメンター支援者アドバイザーである。
  • エルフ
    チーム内の優等生、頭の回転が速く、客観的に物事が分析できる、番頭役
  • ドワーフ
    勇者の懐刀的存在、優秀な営業責任者
  • トリックスター
    既存の秩序にとらわれず、ときには、既存の秩序を壊して、新たな気付きをチームにもたらし、外部との繋がりを作る。

希望は、地上の道のように、初めから道があるのではないが、歩く人が多くなると初めて道ができる。

成功するかどうかは、事前には誰にもわからない。冒険に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる。

●アメリカ国力

アメリカの力の源泉は、世の中の既存の価値観になじめない、はみ出しものや冒険者を、惹きつける精神である。優秀でありさえすれば、人種や出自に問われることなく新たなチャレンジのチャンスが与えられる。

アメリカには、「自分たちが市場のルールを作る」という姿勢がある。

●これからの時代戦略

世の中が暗澹とした空気に覆われ、どこにも希望が見えなくなったときに、人々は、得てして自分たちを救い出してくれるカリスマのような存在を求める。

しかし、これからの時代は、1人のカリスマではなく、群雄である。絶対的権力を持つたった1人のリーダーが、組織の全てを掌握し、トップダウンで指令を与えるのではなく、分散したいくつものチームがそれぞれの場で、最適な戦略をとって生き延びていくことだ。

●君に友だちはいらない

夢を語り合うだけの友だちは、いらない。

必要なのは、共に試練を乗り越えひとつの目的に向かって突き進んでいく仲間だ。

友だちも仲間も他人から配られるものではなく、自分自身の生き方を追求することで自然にできあがっていくのだ。

他人から与えられたフィクションを楽しむだけの人生を歩むのではなく、自分自身が主人公となって世の中を、動かしていく脚本を描く。

君に友だちはいらない

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