【本要約】説得は言い換えが9割

【本要約】説得は言い換えが9割

2021/8/3

説得とは

説得術は人間関係の技術である。

優秀な営業マンは「価格で勝負するなら、営業マンは不要」と言い切る。商品の機能に差がなく、客が安い方を買うのであれば、営業マンの出る幕はない。価格が高くても「こっちを買った方が得」と客に思わせるのがセールストークという説得術であり、営業マンの能力である。

男女関係の恋愛も、商品の機能である個人のスペックがすべてではない。個性は人の数だけある。「あなた」と「私」であれば、いくらでも説得術はある。

説得のキモは何か?
言い換えである。言葉遊びではなく、言い換える能力を磨くことだ。

相手が腑に落ちて納得するのは、私の主張を相手の価値観に転じて吟味し、その結果「なるほど」となるからである。

言い換えとは「相手の価値観・関心事に置き換えて提示すること」である。

人間関係における実践心理術である。

理屈と論理で「努力は裏切らない」と一般論で言っても伝わらない。相手に伝えるには、言い換えが必要である。

極論すれば、説得とはごまかしの技術だ。提案に対して相手がイエスならば説得は不要で、ノーのときに「これはあなたにとってプラスになりますよ」と説得がはじまる。ノーをイエスに転じさせるのが説得である。

どんな熱弁も誠意も論理も詭弁も、目的を達成するための手段であり、説得の本質は「ごまかしの技術」である。

説得とは「ごまかしの技術」だ。
「ごまかしの技術」とは、新たな視点を相手に提示して見せることだ。

説得の基本原則は熱意である、熱意は人の心を揺さぶる。ただし、熱意で説得に成功するのは、相手が決断を迷っているときのもう一押しである。ノーのときは、逆効果である。

懇願する側が常に譲歩を強いられるのが交渉であり、人間関係なのだ。いかにして懇願させるよう仕向けるか?ここに、人間心理を手玉に取る言い換え術が必要となる。

疑問?

疑問形

「命令言葉」を「疑問形」に置き換える誘導術

人間は子どもも大人も、プライドがあるため「やれ」と命じられれば反発する。「できるか?」と問われて「できない」と返事すると屈辱的な気持ちになるから、前向きの返事をしてしまう。

疑問形に対する回答は「自分の意志であり、自分が決める」という主体性をキープしたままであるため、反発心が起こりにくい。

疑問形の依頼は「自分の意思で決断した」と錯覚させることに、本質がある。

意味不明の倒置法

「貧しき者は幸なり」

倒置法によって相手の疑問を喚起する。相手にしてみれば「自分が疑問を抱いた」と錯覚している。「疑問を相手に問い、答えさせ、疑問が解消された」という無意識の心理が、納得になる。

教えて下さい

取り入ろうとする相手の趣味に対して「教えて下さい」をやる。人に教えるというのは、自尊心がくすぐられて、心地いいからだ。

聞きたいことがあるときには「何をどう工夫したけど、合っていますか?」と問うことで、相手からの回答を引き出しやすくなる。

自分で考え、結論付けたことの是非を相手に問いかける。

言外に「教えて下さい」をやることで、相手は自尊心を満足させつつ「できる」という評価につながる。

ものは言いよう

言い方一つで人は動く。

理屈ではなく、感情で人は動く。

「みんなを助けるためには、君の力がいる」

「君はみんなを見捨てるのか?」

もらってくれないか?

「人に金を渡すときは、頭を下げて渡せ。くれてやるといった態度が少しでもあれば、その金は死に金になる」
田中角栄
立場の上の者がへりくだる。

「やる」を「もらってくれないか?」と言い換えて見せるところに、人間関係の秘訣がある。

転換

論理の転換

人は「夢」という言葉に心を動かされる。ホラ話と「夢」の違いは、話に具体策があるかどうかだ。つまり、ホラ話に具体策を加えると「夢」になる。

その具体策に、ケチをつけられたら?

課題があるんだったら「それを乗り越えましょうか?」というところに発展がある。課題があるから止めるのは、負け犬の発想だ。

課題 → 反対

という論理を

課題がある → 乗り越える → 発展がある → 賛成

という別の論理に変換する。

説得とは心理戦である。

対立

対立は、隔たりである。

  • 対立は戦いであり勝敗があるが、隔たりには勝敗はなくお互いが歩み寄ることだ。
  • 対立する意見をひとまとめにして「大筋」という言葉に言い換える。
勝ち負けではなく「ウィンウィン」を目指すことが交渉だ。

ヨイショ

「褒めて動かす」というのは、人間関係の基本とはいえ「ヨイショ」はサジ加減が難しく、過ぎても足りなくても反発の危険がある。

「命もいらぬ、名もいらぬ男は始末に困るものだが、始末に困る男でなければ天下の大事は謀れない」 西郷隆盛から山岡鉄舟へ
「報連相もなしに仕事を進めて、始末に困るが、自分で考えて行動できるやつじゃなきゃ、仕事で使えない」

過程ではなく結果

易きに流れるのが人間の常で「やらなきゃいけない」とわかっていながらも、手を付けられない。

そんなときは、過程から目を逸させ、結果を見せるのだ。人の不満は過程に生じている。

主体性

規則

規則で通らない事項を、どうしても通したいとき

私 → あなた

と立場を逆転させる。

私の立場なら、あなたはどうするか?

と問うことで、あなたから、感情を誘う。感情で人は動く。

営業

営業は断られたところからはじまる。これは正しい。

断る理由を論破すれば、もはや断る理由がなくなるからだ。

商品の感想を尋ねて、相手に主体性を持たせて話させることで「売りつけられるのではないか?」いう心理的圧迫から、客は解放される。

自己説得

相手の要求や主張、批判を「壁打ちテニス」の要領で、そっくりそのまま跳ね返す。

「言うことはよくわかった。あなたは、会社発展のために、これまで何をしてきたのか?批判をする前に、自分に問うてみよ」

まず、イエス。その後、相手の依頼の問題点について追及していく。無理な依頼の問題点を共有することで、相手は、自分自身で納得して諦める。=自己説得

逆説的言い換え

「できるやつだ。だから、怒られたんだ」

「できないやつは、怒らないよ」

できるやつ
→怒られる
→お前は怒られた
→だから、お前は伸びる
→怒られたことを喜べ

自ら論理展開して導き出した結論は、無条件に受け入れるという人間心理がある。

非主体性

言い訳=大義名分

人間は、常に自分に対する「言い訳」で精神バランスを保っている。

説得という視点から考えると、相手に言い訳をする材料を与える。それを「大義名分」にしてやれば、相手にとってネガティブなことであっても説得しやすくなる。

相手に、言い訳(=大義名分)の材料を与えることが説得の術である。

賄賂

やるなら少しずつ、禁断の「袖の下」

1回目をいかにして受け取らせるか、ここが贈賄側の勝負となる。

相手に「一線を越えさせよう」と思うなら、相手に決断を迫ってはダメだ。決断=責任という負荷がかかるため引いてしまう。従って、あの手この手の言い換えで、決断させずして、いかに引き込んでいくか。ミリ単位の攻防が必要となる。

相手に、決断をさせない、責任を感じさせないことで、目的を果たす。

人を見て法を説け

私たちは、説得するテーマが最初にあり、説得によって相手を引き込もうとする。

自分が決めたサイズの靴に相手の足を合わせようとする。しかし、相手に靴を履かせようとするなら、相手の足に合わせたサイズを用意する。

客観的評価

「君ならできる」

「君ならできるってみんな思っているよ」

そうすると、客観的評価の期待に応えようとする心理が働く。君なりできるは主観である。

将来という視点

若手は、現実から将来へ視点を移すことで、将来への可能性という面に注意を向けさせることができる。

「将来のために、苦労するんだ」
「将来がある男だと思うから、あえて厳しいことを言うんだ」

ミス

前言撤回

前言を翻すときに、頭を下げればお詫びになり、口を尖らせれば撤回になるから、言い換えが必要だ。

「〜してしまっては、元も子もない」

前提を持ち出して、その前提ありきの前言だと示すことで、お詫びも撤回もなくす。

リカバリ

人間は誰でも失敗や間違いをする。そのときに「いかに幕引きを図るか?」が勝負となる。言い訳を謝罪と反省の言葉に置き換える。相手の同情を得られれば「災いを転じて福となす」となる。

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