【本要約】武器になる哲学3 〜 人間

人間に関するキーコンセプト

2021/7/20

【本要約】武器になる哲学2 〜 思考
「無知の知」とは、知らないということを知っている。「自分は知らないのだ」という認識が、学びのきっかけであるからだ。

ルサンチマン

フリードリッヒ・ニーチェ

ルサンチマン
= 弱者が、強者に対して抱く嫉妬・怨恨・憎悪・劣等感などが混ざった感情
≒ ひがみ・やっかみ
私たちが持っている本来の認識能力・判断能力が、ルサンチマン ( ひがみ ) によって歪められてしまう可能性がある。

ルサンチマンを抱えた個人は、状況改善のための2つの反応をする。

  • ルサンチマンの原因となる価値基準に、服従する。
  • ルサンチマンの原因となる価値判断を、逆転させる。

【服従】

ルサンチマンは社会的に共有された価値基準に、自らの価値基準を服従することで生み出される。自分が何かを欲しているとき、それが「本当に自分が欲しいモノなのか?」あるいは「他者によって喚起されたルサンチマンによるモノなのか?」を見極める必要がある。

【逆転】

ルサンチマンの原因となっている劣等感を、「努力や挑戦によって解消しよう」とせずに、「劣等感を感じる源泉を否定する」ことで、自己肯定する。

大衆は、自らの努力ではなく、強い他者を否定することを好む。そういった価値判断の逆転が、いつの時代も大衆の共感を得る。現代では、メディアやキラーコンテンツがその例だ。

予告された報酬

エドワード・デシ

私たちの動機は「努力報酬」という因果関係で説明できない。

労働と報酬が正確に数値的に相関したら、人は働かない。何の驚きや喜びもないからだ。

予告された報酬
創造的な問題解決能力を著しく毀損する。
既に「おもしろい」と思って取り組んでいる活動に対しての内発的動機付けを低下させる。

「質の高いモノを生み出すためにできるだけ努力しよう」ということではなく、「最も少ない努力で最も多くの報酬を得よう」として何でもやるようになる。さらに、選択の余地が与えられれば、自分のスキルや知識を高められるようなタスクではなく、最も報酬が多くもらえるタスクを選ぶ。

ビジネスにおいては、報酬という「アメ」が、組織の創造性の低下を招いている。

脳は確実なモノと不確実なモノとのバランスを取る。

新しいことにチャレンジするのは不確実な行為なので、バランスを取るためには、確実な何かが必要になる。その何かとは、安全・安心である。

人がリスクを冒して創造性を発揮するには「アメ」も「ムチ」も不要である。内発的動機=自発的動機である、自分がやりたいからやる。

行動依存

バラス・スキナー

強化理論
人の自由意志とは幻想であり、人の行動は過去の行動結果に依存する。

ネズミの実験 … レバーを押すと餌が出るときのネズミの行動
「レバーを押すと必ずエサが出る」よりも「レバーを押すと不確実にエサが出る」という条件の方がレバーを押す回数が多い。

行動は「その行動による報酬が必ず与えられる」と分かっている時よりも、不確実に与えられる時の方が、より効果的に強化される。

人に当てはめると、不確実なものほどハマりやすいという性質がある。その性質は、様々な面に適用されている。

  • ギャンブルは、確率を変動させながら報酬を与える仕組みである。
  • ゲームのガチャも変動比率によって、レアキャラが出る仕組みである。
  • SNSは、予測できない変動比率であり、ドーパミンという報酬 [ 👍 ❤️ ] を与える仕組みである。
    → SNSにハマるのは、予測不可能で、人の行動を強化する効果が高いからである。
脳内麻薬~快楽物質ドーパミン
快楽物質ドーパミンの大量分泌は、食欲、性欲、アルコール、麻薬、ギャンブル、ゲーム、SNSよってもたらされる。ドーパミンは、脳へのご褒美である。ご褒美のドーパミンだけを求める症状を " 依存症 " 、 " 薬物中毒 "という。

フロー

ミハイ・チクセントミハイ

人が能力を最大限に発揮し、充足感を覚えるのはどんな時か?

フローの状態 = ゾーンに入った状況
  • 完全に今やっていることに集中する
    完全に没頭している
  • 気を散らすものが意識から締め出される
    自意識が消滅する
  • 時が経つのを忘れてしまう
    時間感覚が歪む
  • 失敗の不安がない
    活動が自己目的になる

意味があるかないかではなく、ただフロー体験の充足感のために楽しむようになる。

フローの状態は幸福である。
フローの状態へのロードマップ
1.過程のすべての段階に明確な目標がある。
2.行動に対する即座のフィードバックがある。
3.挑戦と能力が釣り合っている。
4.意識と行動が融合する。

フローに入るためには、「挑戦レベル」と「能力レベル」が高い水準でバランスしなければならない。何とかやれるレベルの課題である。

課題の「挑戦レベル」と「能力レベル」の関係は変化していく。時間の経過と共に、その課題に習熟していく。そして、フローからコンフォートゾーンに入ってしまう。居心地はいいが成長は望めず、フロー体験はできなくなる。

認知的不協和

レオン・フェスティンガー

人間は自分の行動を合理化するために、意識を変化させる生き物である。

「魂の服従 = 思想・信条を売り渡すこと」であるから、その対価としては、現世のあらゆる快楽であるはずだ。

認知的不協和論
私たちは「意思が行動を決める」と感じるが、実際の因果は逆である。
外部環境の影響によって行動が引き起こされる。その後に発見した行動に合致するように、意思は遡及して形成される。
人間は、合理的な生き物なのではなく、後から合理化する生き物である。

【私たちの思考】

  • 人間は、主体的存在である。
  • 「意識が行動を司っている」という自律的人間である。
  • 周囲から影響を受け、思考が変化して、その結果として行動が生じる。

【現実の人間】

  1. 認知的不協和によって、環境の変化が行動を引き起こす。
  2. 行動を合理化するために、意識や感情を適応させる。
【本要約】感情の正体
生理的身体反応の情報を脳が先に認識していて、その後に、人間の意思による確認がされて、感情が決定される。

権威への服従

スタンレー・ミルグラム

私たちは「人には自由意志があり、個人の行動は意思に基づいている」と考えている。

実際に、権威からの指示で、人が集団で何かをやるときには、個人の良心や自制心は働きにくくなる。人は権威に対して驚くほど脆弱である。

人は、個人の意思ではなく、権威に従って行動する。

自分の良心や自制心を後押ししてくれるような意見・態度によって、人は権威への服従を止め、良心や自制心に基づいた行動を取ることができる。

悪の陳腐さ

ハンナ・アーレント

悪事は思考停止した凡人によって為される。
悪とは、システムを無批判に受け入れることである。

悪というのは「悪を意図する主体によって能動的に為されるものだ」と考えられている。しかし、「悪を意図することなく受動的に為される」ことにこそ、悪の本質がある。

凡人は「日常における現行のシステムがもたらす悪弊に思いを至らす」よりも「システムのルールを見抜いてその中でうまくやる」ことを考えてしまう。

  • 凡人は、現行のシステムを、所与のものとして、「その中でいかにうまくやるか」について、思考も行動も集中させる
  • 賢人は、現行のシステムを、所与のものとせず、「そのシステム自体をよきものに変えていく」ことに、思考も行動も集中させる

凡人こそが、極め付けの悪となりうる。自分で考えることを放棄してしまった人は、誰でも悪になりうる。

【本要約】武器になる哲学4 〜 他人
私という個人は、分かった後と前では、違う人間になる。なぜなら、昨日の自分では、わからなかったことが、今日の自分は、わかったからだ。「わかる」ということは、「かわる」ということである。

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