【本要約】武器になる哲学7 〜 イノベーション

イノベーションに関するキーコンセプト

2021/7/20

【本要約】武器になる哲学6 〜 組織
人生の転機は、何かがはじまるのではなく、何かが終わる時期である。何かが終わることで、はじめて何かがはじまる。

自然淘汰

チャールズ・ダーウィン

適応力の差は、突然変異によって偶発的に生み出される。

自然淘汰というコンセプトは、世界や社会の成り立ちや変化を理解するのに、有用である。

①突然変異
生物の個体には、同じ種に属してしても、様々な変異が見られる。

②遺伝
変異の中には、親から子へ伝えられるモノがある。

③自然選択
変異の中には、自身の生存や繁殖に有利な差を与えるモノがある。

「環境に、より適合したモノが生き残る」という自然淘汰のメカニズムの鍵は「適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される」という点である。

私たちは、失敗を「ネガティブなモノ」として排除しようとする。
しかし、自然淘汰のメカニズムには「失敗が必須」として組み込まれている。

ポジティブな失敗によって、進化が駆動される。

弁証法

ゲオルグ・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘーゲル

進化とは過去の発展的回帰である。

弁証法
対立する考えをぶつけ合わせ、闘争することで、アイデアを発展させる。

私たちは、相反する二つの命題を両立させるような新しいアイデアを追い求めていく必要がある。私たちは、常にトレードオフとなる二者択一を迫られている。多くの場合、これら二つの選択肢は両立できないように思える。しかし、イノベーションは「両方欲しい」から生まれる。

一見、両立しないような二つの命題を、統合的に解消するという弁証法は、螺旋的発展によって出現する。螺旋的発展とは「進化・発展」と「復古・復活」が同時に起きるということだ。

古いモノがより便利になって復活する。

今後現れてくるモノには、過去の何かが、iCTの力によって効率性・利便性を高めて復活してくる。昔からあったモノなのに、非効率ゆえに、一時的に社会から姿を消したモノが、別の形態をとって社会に発展的復活を遂げる。

脱構築

ジャック・デリダ

二項対立に縛られていないか?

脱構築
二項対立の構造を崩す

” 善・悪 ” や ” 主観・客観 ” といった優劣の枠組みを前提にして構築されてきた。優劣の枠組み自体が持つ矛盾性を明らかにし、過去の枠組みから「脱」し新たな枠組みの「構築」を目指す。

議論において、相手が出してきた「議論の枠組み」や「問いの前提」を破壊してしまう。

「文明が発展する」ということは、全ての文明は、発展というモノサシの上で、” 進んでいる文明 ” と ” 遅れている文明 ” と分かれる。それは、” 発展 ” と ” 未開 ” という二項対立である。しかし、「そもそも発展がいいんだっけ?未開が悪いわけじゃないよね?」と考える。

反証可能性

カール・ポパー

科学的である = 正しいではない
科学とは何か?
提案されている命題や仮説を実験や観察で証明する。
→反証される可能性がある。

反証可能性がないモノ → 科学的ではない → サイエンスではなくアート
論理や事実を用いて、その命題や仮説を反論する余地がない。

悪魔の代弁者

ジョンスチュアートミル

あえて、難癖を付ける人の重要性

自由論
ある意見が「いかなる反論によっても論破されなかったゆえに正しい」と想定される場合と、「そもそも論破を許さないために予め正しい」と想定されている場合の間には、大きな隔たりがある。「自分が正しい」と合理的な保証を得るためには、自分の意見に反対する自由を認めることだ。

アダムスミスの神の見えざる手のように、市場原理によって価格がやがて適切な水準に収斂するように、意見や原論もまた、多数の反論によってやがて優れたモノだけが残る。

組織における意思決定のクオリティは、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の意見交換が行われれば行われるほど高まる。

「処刑されたキリストの思想が、時代を超えて受け入れられている」というのは、「ある時代における悪は、時代を経ることで善になりうる」ということだ。

信用できる人は、自分の意見や行動に対する批判を、常に素直に受け止めている。反対意見に耳を傾け、正しいと思われる部分はできるだけ受け入れ、誤っている部分には、自分でどこが誤りかを考え、他の人にも説明することを習慣とする。

どんなに知的水準が高い人でも、似たような意見や思考を持った人たちが集まると知的生産のクオリティは低下してしまう。そこで、悪魔の代弁者が必要になる。

エポケー

エドムント・フッサール

エポケー
客観的事実を一旦保留する。

VUCAは、現代の世界の状況を現している。

VUCA
Volatility ( 不安定 )
Uncertainty ( 不確実 )
Complexity ( 複雑 )
Ambiguity ( 曖昧 )

分かったつもりにならないで、判断を保留する。自分が客観的事実だと考えているモノを、一度保留してみる。

相手との間に、相互理解が成立しないとき、「自分に見えている世界像」と「相手に見えている世界像」には大きな隔たりがある。

私たちが持っている客観的な世界像は、そもそも、主観的なモノでしかあり得ない。

自分が持っている客観的な世界像を「革新する」のではなく「捨て去る」のでもなく「保留する」という考え方である。

ブリコラージュ

クロード・レヴィ=ストロース

ブリコラージュ
何の役に立つのかよく分からないけど、何かある気がする。

「イノベーションを実現したければ、ターゲットと市場を決めろ」と教科書にあるが、実際には、想定された用途と異なる領域でイノベーションは起こっている。多くのイノベーションは、結果的に、イノベーションになったに過ぎない。

用途市場を明確化し過ぎると、イノベーションが起きないが、用途市場を不明確にしたままでは、開発が野放図になり商業化がおぼつかない。

何の役に立つのかよく分からないけど「何かある気がする」というグレーゾーンの直感である。

あり合わせのよく分からないかものを非予定調和的に収集しておいて、いざというときに役立てる。何の役に立つのかよく分からないけど、作ってみたら、後で莫大な価値を生み出すことになったという発明は、たくさんある。

パラダイムシフト

トーマス・クーン

世の中はいきなりガラリとは変わらない。

パラダイム … 科学的業績で、一時期の間、専門家に対して問答のモデルを与えるモノ
パラダイムシフト … 一時期にモデルを与える科学的業績が、新しいモノに代替りすること

今日では、パラダイムシフトは、その概念を拡張し、科学領域を超え、広範な領域で用いられている。

異なるパラダイムには深い溝がある。異なるパラダイムの間には優劣を判断する共通の基準がない。異なるパラダイムは、相互に、共役不可能である。異なるパラダイム間で、それを支持する人々の交流も交換もないほどの長い時間をかけて、パラダイムシフトは起こる。

新しい真理は、その反対世代を説得することではなくて、むしろ、反対世代が死に絶えて新しい世代が成長し、新しい世代の当たり前になることで完結する。

未来予測

アラン・ケイ

未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ。

アランケイは、「こういうものがあったらいいな」を考えて、そのコンセプトを絵にして、それが生み出されるように運動した。

予測したわけではなく「予測を実現させた結果、予測が正しい」と証明されただけだ。

世界は偶然にできあがっているわけではない。どこかで誰かが行った意思決定の集積によって、今の世界になっている。未来の世界は、今、この瞬間から未来までに行われる人々の営みによって決定される。

「未来はどうなるか?」ではなく「未来をどうしたいか?」である。

「未来というのは、予測するモノではなく、ビジョンとしておもい描くモノだ」という考え方である。

【本要約】武器になる哲学8 〜 自由
自由とは、自分自身で選択肢を作り出し、決定することだ。現代に生きる私たちは、無条件に「自由をよいものだ」と考えている。本当に自由は良いものなのか?

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