【本要約】田中角栄の実践心理術

【本要約】田中角栄の実践心理術

2021/9/8

概要

角栄は、すべての人間を味方に引き込んでゆく心理的技術に長けていた。

人身掌握のすべては、実体験し、実感し、現実の中で体得した技術であった。

巨大な金権の濁流に身を置きながらも、常に関係したすべての人々へ気配り、心配りを忘れることがなかった。

人が過去という歴史を振り返る理由は2つ

  • 学ぶべき何かを過去に求める
  • 現在のありように飽きてしまった

姿勢

ロッキード事件での東京地裁での公判に169回に1日も絶やさずに通った。

角栄の資質と性根は、どんなに偉くなっても「モノゴトを舐めない」「何事にも手を抜かない」「安易に人任せにしない」という点だった。

角栄は、何回当選しようと、総理大臣になろうと、決して高みからモノを言わないような人だった。

女性や子どもにもわかりやすい演説で、たくさんの市井の聴衆に耳を傾けさせる。聴衆と同じ目線で話す。

女性の心を掴めない、女性に人気のない男は絶対出世しない。演説では必ず、母親目線にあった話題をする。

総理大臣になっても、庶民と飯を食う。

本物の、人と人との一体感は、人間の生存の原点、飯を一緒に分かち合って食うところからはじまる。この一体感が、庶民と総理大臣との距離を一気に縮めたのだった。

思いやり

角栄が心を砕いて気を使ったのは、常に相手である。どんなときでも、相手に対する気配りを忘れない。

角栄は、官僚の課長以上の詳細なプロフィールを記憶した。名前・入省年・年齢・家族構成・出身・略歴・学歴、そのすべてを暗記していた。

地元の名もない農民、お年寄りのことも、一度会った人、口を聞いた人のことは絶対忘れない。毎日、何十回とお茶を飲み、漬物を食し、ダブダブになった腹を抱えながら、角栄は、一軒一軒に思いを馳せ、相手の心を頂戴した。

角栄は、自分への誹謗中傷を報道するメディア関係者をも包含し許容した。

「俺の悪口でまた飯が食えれば、それでいいじゃないか。彼らの背中には、その家族も乗っかっているんだ。」

カメラマンにポーズをとって写真を撮らせる。相手の商売を邪魔せず、支える姿勢である。そこには「生活すること、きちんと飯を食ってゆくことが、何よりも大切」と考える角栄の哲学があった。

相手を喜ばすには、相手が1番喜ぶことをしてあげればよい。当たり前であるが、いざ、実践するとなると難しい。

  • 相手が1番喜ぶことが、まずわからない。
  • そして「何が1番嬉しいか?」実は、本人も気付いていないことが多い。

妻を接待して喜ばすことで、夫の望外の喜びを得る。

相談に来られて「できない」と言うのは勇気がいる。でも、約束は絶対に果たさなければならない。内容いかんに問わず、即断即決は、相手と自分の信用関係につながる。

喧嘩をしてもいい。しかし、自分が悪いと思ったらすぐに謝る。こんな態度が誠実であるという評価につながる。

自分が悪いところは率直に非を認めて謝り、逆にその潔い態度が敵をも感動させ、仲間に、朋友になっていく。

一国の総理にまで上り詰めた男が、当選一年目のホヤホヤ議員にまで「迷惑をかけて申し訳ない。この通りだ。すまん。すまん。本当に申し訳ない。」一人一人に頭を下げて謝る姿が、感動を与える。

相手が目下であろうと、自分がどんな立場であろうと、自分の非は、真摯に詫びる態度である。

情報

角栄は、新聞から、正確な情報「死亡記事、株、テレビ欄」だけを読んでいた。

情報によって決断を下す、論理的思考の持ち主だった。

角栄は、情報を掌握することで、政治を金を人を動かした。
  • 単体で独立した情報も、組み合わせると、莫大な価値へと変貌する。
    情報という貴重な付加価値のついた陳情を重要視したワケである。
  • 思いつきで責任ある決断は下せない。知っていれば判断できる。確かな情報が決断を支える。
    素早く情報を入手し、好意の行動を即断即決することで、人の心を掴む。
  • アメリカの戦術を学び、それを日米交渉に応用した。
    自国の論法で返されたアメリカは、なす術もなかった。
  • 利口な権力者が、いつでも求める情報は、新鮮で、切れば血が噴き出る式のモノである。ギザギザで丸くない情報だ。
    真の権力者たる者、心底望んでいるのは、そういう棘のある自分にとって不都合な情報ばかり、自分にとって危険極まりない情報こそ、喉から手が出るほどに欲しい。

礼を尽くすとは、事前の徹底調査というアナログ的な努力や煩雑な下準備なしでは決して実現しない。それが真の礼儀であり、相手が感心して唸り、心底喜ぶ。

選挙民一人一人が、何を望んでいるのかを知ることに尽きる。住民は、農民は、「政治家に何をして欲しいと望んでいるのか?」「何に困っているのか?」それを知るために一歩一歩地元を歩き続け、人々の声に耳を傾ける。

角栄は、マーケティングの手法を選挙に取り入れ、票数が数百という誤差で当てる。
  • 政治家は、選挙民の声を聞いたら、公約を果たす。公約を果たして初めて政治家である。
  • 実際に実行してみせ、実現してみせるからこそ、有言実行の角栄を頼って人が集まってくる。

金は活かそうと思えば、どうにでも活かせる魔力がある。だが、逆もまた真なり。金を殺し、そのために恨みを買うこともある。

角栄は、相手が察する金額を前もってしっかり推定し、渡すときは必ず、それ以上の金額を渡す。

相手が予想していた金額より少なかったら、せっかくのお金も価値が半減する。ならば、最初から渡さなければよかったことになる。

仕事観

出世のために、徹底的に上司に支える、そのための金なら、破産覚悟で使い切る。

  • 上司の仕事を支えるため、部下は身を粉にして働く。
  • 上司の目標を達成させるため、部下は陰で必要な根回しを万端にする。

「お世話になった」と、相手に本心から思わせるほど支えれば、立派な貸しである。
心理的な完全なる負い目の借りが、その世界のあらゆる序列・慣習・適正・規律を無視する。

一方

部下の描く上司の理想は、会社の無駄な心配(社内政治)をする必要がなく、自分の仕事に専念させてくれ、自分を出世させてくれる上司である。

角栄は、官僚が作った法案を責任を持って通した。

角栄は、官僚の泥を被ることに何のためらいもなかった。そして、一生懸命働いている過程での失敗は、徹底的に関係者に根回しして庇った。だから、官僚は、角栄を信じて思いっきり仕事ができた。

竹下登の処世術

「人前では怒らない、喜怒哀楽を表さない」という信念を持つ。

怒ると、何もかも失う。それをほとんどの人間は知らないで生きている。だから、怖い。
人の話しはすべて聞く、どんな人とも付き合う、でも、絶対に怒らない。

「怒らない」ということは、「批判しない」ということである。
褒めたことは相手に伝わらないが、悪口はすぐに相手に伝わるの人の世だ。

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