【本要約】心をもつロボット
2021/10/20
ロボットとは、” ヒトのように考えることができる機械 ” というなら、まだ、ヒトはロボットを作っていない。「『考える』ということは何であろうか?」という問題があり、ヒトは『考える』ということを説明できていない。
私たちが、ロボットと呼んでいるのは、自動機械のことである。例えば、自動販売機である。ロボットは人型だけではない。工場の機械から、ゲーセンのゲーム、スーパーのレジ、駅の自動改札まで、人型ではないロボットに囲まれて、私たちは生活している。
現代の人工知能を用いた知能ロボットは、ビデオカメラから視覚情報を、コンピュータが取り込んで、その情報を処理して障害物などの周囲の環境を調べ、そして、その情報に基づいてモーターを動かしながら、コンピュータは、自らの位置を移動させることができる。
「見て」「認識して」「行動する」というプロセスが、生物として重要で、知的で、基本的な機能である。
【ヒトの定義】
ヒトとは、単純に考えてみると目から入力された情報を脳が何か計算し、その結果、手足を動かしている。
- ヒトの生とは、脳と身体の情報の循環によって、「自己の表象」と「自己の身体の表象」の同時発火が起こることである。
そこで自己の意識が生まれる。 - ヒトの死は、心臓の停止が、血液を必要としている脳や身体に、元に戻れない不可逆的な破壊をもたらし、意識の機能が停止する。
これは、ヒトの意識における「自己の表象」の消滅と「自己の身体の表象」との不可逆的な分離である。
【生命の定義】
- ロボットにおいても “「自己の表象」と「自己の身体の表象」の同時発火が起こることで、自己の意識が生まれる ” と仮定する。
- 一方で、ロボットの脳はプログラムであるから、簡単にコピーして、同じ機械に複製することができる。
- 元の意識を持つロボットと、コピーされた意識を持つロボットは、別の個体として、分離され、別の意識を持つことになる。
- 「自己の表象」がコピーされて、新しい「自己の表象」が生まれることが可能となる。
これを意識や生命と呼んでいいのだろうか?

【本要約】クオリアと人工意識
「自由意志」は、脳が作り上げた壮大な「幻想」である。人間の行動は、物理的な脳が存在して、物理法則に従うしかないのに「自分で自由に選択できる」と意識の中で感じ、思い込んでいる。
コメント