【本要約】僕は君たちに武器を配りたい

仕事

【本要約】僕は君たちに武器を配りたい

2020/10/20

これからの時代、マニュアル化された仕事をするだけの人材は生き残っていけない。では、どういった人材が生き残っていくのか?それは、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターである。

学問のすゝめ

学歴社会はいかにして生まれたか?

明治初期には、日本人口は3000万人で、識字人口は1000万人であった。そんな中、福沢諭吉が書いた学問のすゝめは、300万部も売れたのである。

学問のすゝめは、

『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』という言葉が有名である。
学問のすゝめの本質は、『人間は平等である』ということではなく、
『学問することで、人間には差がつく』ということであった。

つまり、
学問のすゝめは、慶応義塾の『宣伝本』であった。

江戸時代の身分制度がなくなった今、学歴で格差が生まれるといった思想が、明治維新後の動乱期に、マッチした。その結果が、識字人口の1/3が買うというベストセラーを生み、現代の学歴社会の礎となった。

これは、不安解消マーケティング と呼ばれ、社会が不安定化した時には、必ず、こうした人々の不安をわかりやすく解消する方法が、受け入れられやすい。
何が正しいのかわからないからこそ、「これさえあれば」が人々に受け入れられる

近年におけるまで、いい学歴であれば、いい就職ができ、その後の人生における成功を手に入れることができた。学歴主義には、努力して成績を上げることが将来につながるといった、わかりやすい価値観であった。学歴主義は、個人と社会に受け入れられ、日本の経済発展の礎となった。

学歴社会の崩壊

福沢諭吉がもたらした学歴主義は、近年におけるまで、絶対的信仰を得てきた。

インターネットがもたらした情報革命によって、誰でもすぐに情報発信でき、また、かんたんに起業できる時代になった。

もはや、学歴社会ではない、情報社会の時代の到来 である。これからは、情報は、与えられるものでなく、自分で取りに行くものであり、発信するものである。

コモディティ化

市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってみれば、どのメーカーの商品を買っても大差がない状態をコモディティ化という。

経済学では、コモディティとは、スペックが明確に定義できるものである。つまり、個性のないものはすべてコモディティ である。コモディティ化した市場で商売することの最大の弊害は、徹底的に買い叩かれ、商品の値段は、供給側の限界利益0になるまで下がる。

コモディティ化は、人材市場でも、起こっている。マニュアル化された仕事をするだけの人材は、市場に溢れている。そこで、スペシャリティになる必要がある。スペシャリティとは、他の人に代替えできない唯一の人物である。

しかし、時代は変化していき、その価値は減少し、スペシャリティもコモディティに転落する。そのためには、資本主義の仕組みを理解して、コモディティと、スペシャリティの要素を知る必要がある。

資本主義の仕組み

資本主義では、お金は、市場に売り出されるどんなものとも交換できるし、腐ったり、減ったりしないから、お金がある方が有利 である。だから、資本主義社会の人々は、お金を得ることを目指す

資本主義社会で、お金を増やす人は、より少ないコストで、みんなが欲しがるモノを作った人である。コストをかけたモノや、みんなが欲しがらないモノを作ることは、社会的に無駄な行為であり、自然淘汰されていく。

<資本主義社会の歩き方>

  • 自らが会社を興して事業を営むか、自分が株主として会社の利益に応じて報酬を得られる仕組みを構築をする
  • 市場の「歪み」を正すことが、社会にメリットをもたらし、自分に利益をもたらす。
  • 価格が公開されていることで、価格競争や、品質競争が行われることで、進歩していく。
  • 「自分の少数意見が、将来、多数意見になれば報酬を得られる」という仕組みになっている。

資本主義の発展

  1. 富を持つ者から奪う略奪モデル
  2. モノを移動させることで富を生み出す交易モデル
     
    航海はリスクが伴うので、航海に出る人と、航海のお金を出す人で、リスクを分け合うことになった。航海に出る人が起業家で、お金を出す人が資本家である。これが、株式会社の原型である。
     
  3. 機械やエネルギーで、同じモノをより多く、より早く、より安く作る産業革命が典型である生産性革命
  4. 機械の能力が向上することで、人手が不要になる技術革命
  5. インターネットにより、誰でも様々な情報にアクセスできるようになった情報革命

本質

資本主義社会の中で、安い値段でこき使われず(コモディティにならず)に、主体的に稼ぐ人間になるためには、この6タイプである。
  1. トレーダー:商品を遠くに運んで売ることができる人
  2. エキスパート:自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人
  3. マーケター:商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人
  4. イノベーター:まったく新しい仕組みをイノベーションできる人
  5. リーダー:自分が起業家となり、みんなをマネージ (管理)してリーダーとして行動する人
  6. インベスター:投資家として市場に参加している人
これから生き残っていくのは、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターである。ここでどれかひとつのタイプを目指すのではなく、状況に応じて、この4つの顔を使い分けることが重要である。

マーケター

市場や顧客や商品を新たに再定義 する。

マーケターが画期的なアイディアを持っている必要はない。
新しいライフスタイルや、モノゴトの変化を見つけ、その動きを分析力する。

同じ商品に「ストーリー」や「ブランド」といった付加価値や差異を作り、再定義する。
「ストーリー」で再定義された商品を、これまでと異なった市場や顧客に向けて、展開していく。

イノベーター

最初から一人でイノベーションを生み出すことができる人はいない。

自分が働いている業界について、ビジネス構造、金や人やモノの流れ、キーパーソン、非効率な問題を、研究する。

現在、凋落している業界にチャンスが眠っている。凋落している業界のニーズ自体が消滅しているわけではない。既存の業界が提供する商品やサービスが、消費者のニーズに応えられなくなっているだけである。

「仮想敵」のいる市場を狙う。起業家が新しいビジネスを見つけるときの視点として、「しょぼい競合がいるマーケットを狙え」という鉄則がある。競合がいないということは、そこにマーケットがないので、「仮想敵」といえる存在がそのマーケットにいることが重要だ。

既存のものを、今までとは違う組み合わせ方で提示することが、イノベーションの本質 だ。

特定分野の専門技術を持つよりも、様々な専門技術を知って、その組み合わせを考えられる方が、重要である。ほかの業界、ほかの国、ほかの時代に行われていることで「これは良い」というアイディアを模倣する。

イノベーションの発想術は、「何かを聞いたら反射的にその逆を考えてみる」である。その業界で「常識」とされていることを書き出し、その反対のことを検討してみる。今までのやり方でうまくいっていないとするならば、その全く逆をやってみたほうが成功する確率が高まることは、往々にしてある。

リーダー

本当の「マネジメント」とは

リーダーには、優秀な人をマネジメントするスキルも大切だが、優秀ではない人をマネジメントするスキルのほうが重要なのである。優秀でない人に、安い給料で、モチベーション高く仕事をしてもらうように持っていくのが本当のマネジメント力である。

カルロスゴーンの就任演説

「私は結果を出すために来ました。リーダーにはコミットメントが必要です。コミットメントとは、何かを達成すると約束をして、それが達成できなかったら、責任をとるということです。私が社長に就任して、結果を出すことができなかったら、私はこの会社を辞めます」

優れたリーダーには「自分はすごい」という勘違いが必要 なのである。そうでなければ、自分が信じ込んでいるビジョンやストーリーを社員に伝えて先導していくことはできない。

革命的なことを成し遂げるリーダーの多くは、ある種の人格破綻者であるか、あるいは、新興宗教の教祖のような自己愛の塊である。そして、そうした強烈なリーダーが率いるからこそ、組織は成功するのである。さらに、成功したリーダーの多くが、自分とは正反対の性格を持つ人をビジネスパートナーとして、雇っている。

リーダーの条件

大きなコンプレックスを持っているとしたら、それはリーダーになる大切な素養があるかもしれない。

『自分の人格が少し普通の人と違って破綻しているな』や『自分には極端な自己愛があるな』と自覚しているならば、その「負の側面」を逆転させることでリーダーへの道が開かれる可能性がある。ただし、大きなコンプレックスを持つリーダーは、最終的に破綻するケースも多い。

長年、ビジネスの世界で生き残っている経営者には、謙虚さを強調したり、慈善事業をしていることを主張する人も多い。それは、自分の中のダークサイドとのバランスをとろうとしていて、そのバランスを維持できるだけの精神力を持っている人だけが生き残るのである。

投資家

資本主義社会では、すべての人は、投資家になるか、投資家に雇われるかの2択しかない。投資家は、資本を所有して、資本を適切な会社や人材に投資する。

投資には必ずリスクとリターンがあるので、重要なことは、以下の3点である。

  1. ローリスク・ローリターンの安全策をとるより、ハイリスク・ハイリターンの投資機会をたくさん持つこと
  2. 集中投資はリスクが高いので、リスクは分散させなくてはならないこと
  3. 自分で管理できる範囲でリスクをとること
    (仮説に基づいて投資を行った後に、仮説の不備に気付いた時点で、その投資から撤退すること)

世の中の動きを見るときには、トレンドかサイクルかを正確に判断することが重要となる。トレンドは一度起こったら元には戻らず、そこで起こった変化が常態となる。その反対にサイクルは、時とともに変化が循環し、再び以前と同じような状態に落ち着いていく。

本当に価値のある情報というのは、みんなが知った瞬間に、その価値がなくなってしまう。みんな知らない、本当に価値のある情報をもとに投資すればいい。しかし、それは、株式投資では、インサイダー取引となり、違法となる。だから、本質的な「投資」である自分の労働力や時間や人間関係を投資すればいい。

ゲリラ戦

現在、そして未来の人々がどんなことに困ると予想されるか?どんなことが可能になったらより幸せになれるか?今まだ顕在化していないニーズを見つけて実現するのは、マーケターやイノベーターやリーダーや投資家の仕事である。

人類が生み出してきたこれまでの叡智をさまざまな角度で組み合わせ、資本を投入し、イノベーションを実現することで、人々の生活をより豊かに幸福にすることができる。

インターネットで世界がリアルタイムでつながった現在、マーケットの大きさを決めるのは国境ではなく「言語」だ。英語を話す人々のマーケットは、日本の何十倍もある。英語を話す人は、ネイティブよりノンネイティブのほうが圧倒的に多いから、発音などは大した問題でなく、英語で自分の意思や知識を伝えられることが重要である。

マルクスの資本論では、労働者と資本家を対立する構造として捉えていた。その対立構造の中で働くのであれば、労働者にとっては、「少ない労働量で多くの給料を得るか」が重要となり、反対に資本家にとっては、「労働者を少ない給料で多く働かせるか」が重要となる。

しかし、現在の資本主義社会では、そうした単純な対立構造で企業を経営することはできなくなっている。株主と労働者の利害関係を一致させるため、自社の社員にストックオプションという形で株式を渡す会社もある。株式会社では、そこで働く社員も、株主の代理人として活動したほうが、結局は儲かるのである。これから求められるのは、株主に多くの利益をもたらすような働き方である。

一方で、「この会社は伸びる」とトレンドを読んで入社したとしても、自分が一社員として雇われている限りは、意味がない。「その会社に株主として参加する」や「利益と連動するボーナスをもらう」といった業績連動型のポジションに身を置かなければ、リスクを取ったことにならない。自分の労働力と時間という投資に対して、リターンを得られるポジションに身を置くことが、投資家的な働き方である。

世の中の多くの残念な人は、自分で調べる一手間をかけようとしないが、自分で調べてみて、考えて結論を出すことが必要となる。考える習慣というのは、実際に自分の手足を使って、行動してみることで身に付くスキル である。

社会で本当に意味を持つのは、インターネットにも紙の本にも書いていない、自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力でやったことだけが、本物の自分の武器になる。資本主義社会を生きていくための武器とは、勉強して手に入れられるものではなく、現実の世界での難しい課題を解決して、手に入るものなのだ。

【参考】僕は君たちに武器を配りたい

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