【本要約】問題発見力を鍛える

【本要約】問題発見力を鍛える

2021/7/30

問題とは何か?

不測の事態が起きても対応する準備をしておくことが教訓である。

【次の不測の事態】
・コンピュータウィルスによるデジタル世界の混乱
・サイバー戦争による秩序の崩壊
  • 安定している時代には、ある程度問題はわかっているので、それを解決する能力が重要である。
  • 不確実性が上がれば上がるほど「そもそも何が問題なのか?」を考える能力が重要である。
不確実性が高い時代には、与えられた問題を上手に解くのではなく、問題が与えられたら「解くべきか否か?」を思考し「解くべき問題を提案する」能力が必要である。

問題を発見するためには「無知の知」を自覚することからはじまる。

【問題の定義】
身の回りの事象や私たちの頭の中に生じている歪みであり、ギャップであり、それを変数で記述することである

問題とは?

  1. 「変化している現実」と「昔から変わってないルール」との間に生じた歪みである。
    「歪んだ現実」と「あるべき理想像」とのギャップである。
    例えば、ハンコである。
  2. 私たちの事象の捉え方である。
    時代の変化は「過去の事象の捉え方」と「現実の事象の捉え方」との間に、ギャップを生み出し、問題化する。
  3. 「ネガティブな事象」として捉えるのではなく「解決する機会の発見」と捉える。

VUCAやCovid-19という時代は、問題発見力がある人にとっては、新しい機会がドンドン生まれる絶好のチャンスである。

VUCA
変化が大きく先の予測が難しい

1.問題発見力が問われる時代

VUCAの時代には、旧来のモノづくり思考を捨てて、新しい思考を取り入れる。

それは、問題解決から、問題発見である。

問題を解決していくには、問題を適切な形で発見して定義する必要がある。
  1. 問題発見
    身の回りの具体的な事象の観察から解決すべき問題を見つけ出す。
  2. 問題定義
    実際に解くべき問題として定義する。
  3. 問題解決
    定義された問題を解決する。

問題が明確に定義できたら、大量のデータがある世界では、人間よりAIの方が問題解決は得意である。人間の役割は、与えられた問題を解くことから、自ら能動的に問題を発見することに、シフトしていく。

問題解決と問題発見は、正反対の思考が必要である。

  • 問題解決
    知っていることが起点となる。
  • 問題発見
    知らないことが起点となる。

「変化が激しい」ということは、獲物の位置が流動的である。獲物の現在地を特定するための情報も少なく、確実に獲物を捕まえることが難しくなってきている。

ビジネス環境が変化している。仕事のクライアントも、クライアントの顧客である消費者も、会社の上司も「自分が何を必要としているのか」がわからない。ニーズがわからない状態である。

  • 問題解決
    成功の勝ちパターンがあったり、失敗にも必ず原因があったりする。
    成功も失敗も、因果関係が明確である。
  • 問題発見
    やってみなければわからない要素が大きい。

AIが得意なのは、明確に定義された問題に対する最も適当な答えを膨大なデータから推論することである。そこで、人間の役割は、問題を発見してAIに問題を与えることになる。

  • AIに与える問題は、曖昧性がなく明確でなければならない。
  • AIに与える問題は、明確に変数が決められている。
  • AIに与える問題は、明確に定義された前提条件の下で最適化するような問題である。
問題発見とは、ルールが環境変化によって適切でなくなった場合に「本来、ルールがどうあるべきか?」を考えて、新たにルールを作り直すことである。

私たち人間は、問題を発見して、問題を明確に定義することに注視し、問題解決はAIに任せる。

問題解決から、問題発見に頭を切り替えるには、すべてのものを疑ってかかるということである。

【問題が与えられたときの思考】

・問題解決型思考
→どうやってやろうか?
「how?」を問うことで、具体化し絞り込んでいく。

・問題発見型思考
→そもそもなぜ?
「why?」を問うことで、視野を広げて、解くべき問題を探しに行く。

※本書より引用

【問題を3つの領域に区分】

① 問題も答えもある
② 問題はあるが答えはない
③ 問題も答えもない

② → ①:問題解決
③ → ②:問題発見

※本書より引用

2.問題発見は常識を疑う

男女差別・人種差別の発言において「悪気がない」ということは「何が悪いかを理解していない」=「問題意識がない」となる。

「論理的に考えられない」人の最大の課題は「自分が話していることが論理的でないことの自覚がない」ことだ。「論理的に考えろ」と言っても通じない。

「不要不急」「常識」「非効率」にも通じる。本人には、問題意識・自覚がない。

外からは「問題だ」と見えるが、自覚がない本人が、問題解決することはない。
問題を「問題として意識」しなければ、問題解決されることはない。
【知を3つの領域に区分】

① 既知:知っている
② 未知 → 既知:知らないと知っている
③ 未知 → 未知:知らないことを知らない

問題発見

③ から ②
” 未知の未知 ” から ” 既知の未知 ( 既知である未知 ) “

未知の未知を意識している人 ( 無知の知 ) は、自分の理解できないモノを見ると「何か自分に見えていないことがあるのではないか?」という思考が起動する。

意識していない人 ( 無知の無知 ) は、自分の理解できないモノを否定して「間違っている」という判断を下すことで、思考が停止する。

  • ” 無知の知 ” を自覚している人は「自分の知らないないことがないか?」とアンテナを張っている点で、外側の視点である。
  • ” 無知の無知 ” の人は自分の知っている範囲の中でモノゴトを解釈するという点で、内側の視点である。

未知のモノを見たときに、” 無知の知 ” の人は、質問からはじめるが、” 無知の無知 ” の人は、真っ向から否定して、内側の自説を展開する。

新しい技術によって、それまでの常識が覆ることがあり、それを発見する機会は、” 非常識である ” モノを見たときの反応にある。常識は、” 新しいこと変化が起こったときの問題 ” や ” イノベーションの発見 ” に対しては、否定的な方向に働く。

新しい変化を見聞し、それが理解できないとき、” 無知の知 ” の人は、それを自分にとっての ” 未知の未知 ” と認識する。そして「どうすれば理解できるのか?」と考えて「なぜそんなことをしているのだろうか?」という問いに変えることで、問題を見出す。コレが問題発見で、” 未知の未知 ” が、 ” 既知の未知 ” に替わった瞬間である。

” 無知の無知 ” の人は、自分が理解できないモノを見ると、感情が出てしまう。

  • 問題解決に必要なのは、過去の知識や経験であり、そこで問われるのは、常識の有無である。
  • 問題発見には、常識は害悪となる。

常識の否定の先にあるモノは、往々にして次の世代の常識になる。問題発見は常識を疑うことからはじまる。

「常識を打ち破れ」で、常識を破れる人はいない。「常識に囚われている」という状態は、自分が囚われている常識について、無自覚な状態である。自覚がないのが最大の問題なので、別の方法で、「常識を打ち破る」必要がある。

常識というのは「ある環境や条件下において」成立していることが多い。ほとんどの人たちは、その環境や条件が「不変である」という前提を置いている。

創造性というのは「他人と違う」ことに価値がある。

  • 個性や自由を重視した自律型人間が、創造力が発揮できる。
  • 規律やルール優先の軍隊型人間では、創造力が発揮できない。

問題発見の思考回路を起動して「そもそも」を疑うことで、常識でないことに気付くきっかけとなる。

  • 常識というのは、必ず、ある状況において成立するモノである。その状況が「環境変化」や「技術革新によって変化」した場合に、その変化にいち早く気付くことができるのが、” 無知の知 ” の姿勢である。
  • その変化を否定し、従来の常識を疑うことなく、それに固執するのが、” 無知の無知 ” である。
自分が「非常識だ」と感じたときは、チャンスである。
そこに、自分が知らない気付きのきっかけがあるのだ。

「常識だ」と言ったときは、実は「明確に理由を説明できない」からだ。そうでなければ、理由を答えているはずだからだ。

「常識」と言う言葉は「自分では正しいと以前から信じているが、実はその理由を説明できない」状況において、使われる。

「常識」を説明するために考えることで、新たな問題が見つかる。

問題発見力 = 知識力 + 思考力

常識の理由や背景を「なぜ?」と思考することではじめて、問題を発見でき、自分の中の新しい知識となる。

常識人と非常識人1

  • 問題解決型の常識人は「常識」という不変の知識がベースになっている知識力重視である。
  • 問題発見型の非常識人は「まず、常識を疑う」という思考力重視である。

常識人と非常識人2

  • 常識人は常に多数派である。
    「多数の人が正しい」と信じていることが常識だからだ。
  • 非常識人は、少数派であることに価値を見出す。
    「みんながやっている」は「だからやらない」につながる。

常識人と非常識人3

  • 常識人は、過去を重視し、過去の知見から連続性や一貫性を重要視する。
  • 非常識人は、常に変化を好み、そこから、常識への懐疑心が生まれる。

3.問題発見とは、新しい「変数」を考えること

  • 問題発見のWHY
  • 問題解決のHOW

※本書より引用

  • WHY : 手段 → 目的
  • HOW : 目的 → 手段

思考は逆方向になる。

5W1Hにおける、5Wの中でWHYは異質な存在である。

  • 4Wの質問は、物・時間・人物・場所といった、固有名詞が答えになる。
    4Wは点 ( 0次元 ) である。
  • WHYは「手段と目的の関係」「原因と結果の関係」といった、2つ以上の事象の関係である。
    WHYは線 ( 1次元 ) である。

「なぜ?」を繰り返すことで、問題の真相に近付くことができる。

  • 問題を発見するためには、空に上がって視野を広げて拡散させていく。
  • 問題を解決するためには、視野を狭めて収束させていく。

「なぜ?」には大きく2つの方向性がある。

  • 現在 → 過去:原因と結果の関係性
  • 現在 → 未来:手段と目的の関係性

※本書より引用

  • 過去に向けて「なぜ?」を問うと、原因ー結果の関係を追求し「真の原因」に辿り着ける。
  • 未来に向かって「なぜ?」を問うと、手段ー目的の関係を追求し「最上位目的」を考えられる。

「なぜ?」は ” 現在 ” と ” 過去 ” や ” 未来 ” という時間軸の関係付けをする。

問題発見とは、新しい変数を見つけること

4Wという「点」の ” 0次元 ” に対して、WHYは「線」という ” 1次元 ” である。
” 次元 ” が異なる。” 次元 ” は、言い換えると、変数の数になる。

1次元の座標[線]    → x
2次元の座標[面]    → x , y
3次元の座標[空間] → x , y , z

「問題」というモノを再定義してみると「変数の集合体」である。

例えば、
パソコンでは、CPU性能・メモリ容量・SSD容量・画面サイズといった仕様を、決めているのが変数である。これらの変数は、定量化が容易であるが、デザイン性・使いやすさは、定性的である。定性的な変数を定義して、最適化するのが、問題解決になる。

問題発見とは、変数を決定し定義することである。そこで定義された問題 ( 変数の集合 ) の各々の変数を最適化するのが問題解決である。

製品の比較表では、比較項目の全体が変数の集合体で、最適化とは、変数のバランスをとって優先順位を付ける。比較表からスタートするのが問題解決であり、その前段階として「そもそも、どういう項目で比較するのか?」その比較表にない項目を新たに作り出して、新たな顧客ニーズに応えようとするのが問題発見である。

問題とは「変数の組合せ」である。
問題発見とは、変数を探し出し定義することである。

「忙しい」=「時間がない」という状況での問題は、変数は実は「時間」でないことに気付けるかどうかである。仕事の「優先順位」「効率性」「人に任せる判断」という ” 変数の転換 ” に気付き、「真の問題としての変数」を見つけられるかである。

  • 問題発見は、新たな変数へと拡大させて別の問題を考えていく。
  • 問題解決は、変数を分解して、どの変数から対応するかという、行動へと落とし込んでいく。

私たちの身の回りに起こっている問題に関して「どの変数が1番重要なのか?」という観点を持つと問題の発見や解決の仕方が体系化してくる。

問題解決においては、変数が固定され、しかも、数は少ないに越したことはない。変数の数というのは、問題の複雑さを示し、少ない方が単純である。

問題が起こったとき、「問題」とはネガティブな意味で用いられる。ネガティブとは、通常時=何も起こってない平常な状態に対してである。

問題は、平常時と異常時のギャップである。

別の視点では、ギャップはポジティブでもよいことになる。もう一つの問題の定義である。「今よりよくなった状態 ( あるべき姿 ) 」を思い浮かべて、その状況と現状の違いを問題として定義する。

※本文より引用

  • ネガティブな問題は、過去に起こった出来事なので簡単に発見できる。
  • ポジティブな問題は、将来あるべき姿は、想像力や創造力といった思考力を使わないと表現できない。

クチコミに、ネガティブな意見が多く、改善案を示したポジティブな意見は少ない。

「文句をつける」という問題発見に対して「こうすればもっと良く」なるという問題発見は、ネガティブバイアスを意識する。「文句が言いたくなったときは、その改善案を見出す」という思考の習慣を持つ。

「文句ばっかり言っている人」は、ある意味「問題を見つける」ことのプロなので、これを転換することで、新たな問題発見につかながる。

4.ギャップに問題発見のヒントあり

問題とはギャップのことである。ギャップには、2通りがある。

  • 通常状態に戻すべきネガティブなギャップ
  • あるべき姿と現状とのポジティブなギャップ

そして、戻すべき状態と、あるべき姿は人によって異なる。そのように、問題を捉えることで、実は問題は、私たちが事象をどのように解釈するかによって変わる。

問題は事実そのものではなくて、問題を認識する私たちの頭の中にある。
  • 身の回りのモノを見てさまざまな問題が、見つかる人
  • 身の回りのモノを見てさまざまな問題が、見つからない人
「問題は常に2つの状態の比較からくる」ことを意識しておく。

問題の2つの状態を意識するコトで、日常生活や仕事における行動パターンも変化する。

価格に対する評価は心理的なものである。ここでの「心の中のあるべき姿」というのが「相場感」で、私たちが何かを高い・安いと感じることは、この「相場感」によるところが大きい。同じ商品でも場所によって価格が異なるから、状況によって「相場感」も変化する。

「前回いくらで買ったか?」というのは、忘れることができない相場感である。B2Bのビジネスでは、最初の購買における値段の妥当性の説明は大変だが、一度予算として組み込まれてしまえば、後は「前回並み」ということで、簡単に承認される。

①モノやサービスをよくする。
②顧客の期待値をコントロールする。

①②は同様のことなのに、実際は圧倒的に①の方に重点が置かれてしまう。

繰り返し製品を利用している人には、既存が最高品質なので、機能追加・機能向上が、顧客満足度につながらない。それどころか、余計な機能によって、害悪になりかねない。スマホのアプリのアップデートで使いづらくなった経験は、誰にでもあるはずだ。

同じように、プレゼントは、期待値と実物とのギャップで、嬉しさは決まる。いかに期待値を下げおくかが重要になる。そして、期待値は、個人によって異なる。

問題とは何かの1つの答えはギャップだった。別の視点では、問題とは「偏在」であるという定義もできる。偏在とは、偏って存在している状態である「こちらにはあるが、あちらにはない」というような状態である。偏在は、不公平・不満を生み出す。偏在を解消して、平準化することは、問題解決になる。

問題発見の目の付け所の1つは、偏在に目を向けることである。

シェアリングエコノミーは、偏在を解消するための解決策として登場した。

補完関係にあるニーズを見つけ、創造することができれば、それが問題解決になる。

最近では、たまにしか使わないモノ ( 利用時期が偏在しているモノ ) については、所有から共有へという流れになっている。

偏在解消の最も簡単な方法は、片方にあるが片方にない状態を改善するために、モノを移動する。

国同士の貿易もしかり、金融の為替取引もしかりである。金融の世界では、これをアービトラージという。

そもそも、ビジネスのほとんどは、このアービトラージの考え方の応用であり、多くの問題解決に適用できる。

アナロジーとは、遠くから借りてくることを意味する。アナロジー思考とは、問題解決のためのアイデアを別の領域から移転する考え方である。

問題発見とは、差を見つけることである。

2つの世界を比較して、Aの世界にはあるが、Bの世界にはないモノを見つければ、それがBの世界にとっての問題である。Aの世界にあるモノをBに持っていけば、Bの世界における不足が解消されることで、問題解決する。

初心者が何かをはじめるとにには、まず熟練した人のやり方を徹底的にパクることが重要になる。ここでパクる対象は、形なっている「モノ」ではなく「とにかくやってみる」「数をこなす」「失敗は早めの方が良い」といった熟達のヒント「知的財産」である。

単なるパクリは、誰でも気付けるために、すぐに真似し返されて差別化が難しい。近くのモノは持ってきたのが誰の目にもすぐに気付くが、遠くのモノは簡単には気付かない。アイデアも、遠くから、意外な領域から持ってくれば良い。

具体と抽象という視点で、モノゴトを見る。アイデアをパクったことで問題になるのは、具体性の高い「誰が見ても類似点が明白なモノ」であり、抽象度が高いパクリは問題にならない。抽象度を上げれば上げるほど多くのモノが同じになってくる。

5.具体と抽象を駆使して、自分の頭で考える

目に見える具体的なモノだけでなく、モノゴトを抽象化して捉えることが問題発見で重要である。
  • 抽象化とは、まとめて一つにくくること、カテゴリーで分けて、考えること。
  • 抽象の反対が、具体であり、具体化とは、個別の事象を一つ一つ個別バラバラに捉える。
昨日、釣り堀で釣った鯉
今朝、食べた焼き鮭
家で飼っている金魚

具体レベルでは、別々のモノであるが、抽象化すれば「魚」となる。

私たちは、抽象化によって、多くのモノをまとめて扱うことができ、知識として活用することで、日常生活に役立ている。

カテゴリーで分けるとは、例えば、動物や魚、虫と魚といったモノを分類するために、魚であるモノと、そうでないモノの間に境界線を引くことである。まとめて一つにくくるという分類は、線を引くことである。

私たち人間は、線を引くことで、知的能力を発揮して賢くなってきた反面、線を引くことで、問題を生み出してもいる。世の中の事象は、すべてがグレーで、簡単に白か黒かとスパッと割り切れるわけではない。

私たちが社会生活を営む上で、線引きによって、さまざまなルールを設定できる。

年齢制限・身長制限・スピード制限・国境・組織の部署などである。しかし、同時に、線引きによる歪み問題が生まれる。人種差別・LGBT差別などである。

「抽象化された世界」という目に見えない世界を頭の中に生み出した。これで、複数の事象をまとめて扱うことで、応用を利かせる能力を身に付けた反面、目に見える具体的な世界との対立構造を生み出した。

  • 抽象的である
    個人の解釈は、自由度が高い。
    自分に都合よく解釈できる。
  • 具体的である
    個人の解釈は、自由度が低い。
    自分にネガティブに解釈する。

具体と抽象のギャップによって、コミュニケーションの問題が発生する。個人それぞれによって、具体レベルなのか、抽象レベルなのか、ハッキリしないからだ。

・自分がよく知っている領域は、モノゴトを細分化して=具体的に捉える。
・自分がよく知らない領域は、大ぐくりにして=抽象的に捉える。

・自分のことは具体的に捉える。
・他人のことは抽象的に捉える。

私たちは「自分が見ている世界」は「他人の見ている世界」とは違うのに、ついつい「同じだ」と思ってしまう。

本来はそこに「ギャップがあること」を意識できない。そこで、メタ認知を用いる。

【メタ認知】
・モノゴトを、一つ上の視点から見てみる
・自分の意識を上空に飛ばして、自分自身を見てみる
・外側から眺める状態である
・自分を客観視してみる

手段から目的を考えたり、部分から全体を考えることで、メタ認知ができる。

「具体と抽象」「主観と客観」「感情と論理」のような対極のモノを行き来しながら、これらのギャップを認識することが、問題の発見と解決につながる。

見えない抽象概念に上がっていく過程で考えることが「メタ認知」を生み出し、その結果として様々な問題を発見することができる。

6.問題発見力を鍛えるために今後やるべきこと

問題解決とは「正しいかどうか?」よりも「多くの人が納得するか?」にかかっている。

そのため、多くの人が持つ常識に、共感できる人である。

問題発見が得意な人は少数派であり、他人と違うことを好む人である。

問題発見力を向上するために意識することがある。

他人に見つけた問題を、自分の問題として改善につなげていけば、ネガティブな問題がポジティブな改善へと変わっていく。
「人のふり見て我がふり直せ」という格言がしかりである。
「問題を発見する」というのは、はじめから「解決できる問題として定義する」ことを前提にしておく。

解決することを前提に、自分でコントロールできることを前提に問題を見つけて、問題を定義していく姿勢があれば、発見された問題は解決に向かう。

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