【本要約】感情の正体

【本要約】感情の正体

2021/7/20

人間の感情

私たちはポジティブな感情より、ネガティブな感情に注意が向きやすい傾向(ネガティブバイアス)がある。

白いキャンバスに点一つでも、黒いインクが落ちると台なしになってしまうように、悪い方向へ考えるような性質がある。

感情があるからこそ、喜びや幸せを感じることができ、生きている意味を探ることができる。
感情の特徴がわかれば、対応する相手の正体がわかれば、幸せになる方法がわかる。

感情の正体の中に、ワクワク感を育み生涯維持する術があるはずだ。

私たちは、ワクワク感で行動する。

他人の感情

私たちは、他人の感情に強い興味を持つ。例えば、ニュースのインタビューである。家族や友達とのコミュニケーションにおいても、相手の口から感情を聞きたい。

  1. 年齢を経るにつれ、自分の内面の気持ちをそのまま相手に表現していいのか、戸惑うようになる。
  2. 期待しないプレゼントに対して「自分の趣味ではない」と答えずに「素敵ね、ありがとう」と受け取る。
  3. プレゼントされたモノが欲しいモノでなくてガッカリした気持ちがあっても、自分のために時間を割いて選んでくれた好意には感謝しているから、「素敵ね、ありがとう」は嘘ではない。
【湯浅的見解】
この気持ち1〜3は、全く理解できない。
プレゼントを渡してくれた人との距離感や関係性によるが、不要なプレゼントはいらない。むしろ、なぜ、そのプレゼントを俺が喜ぶと思ったのかを聞きたい。
そして、俺は、相手のプレゼントは、選ばない。相手の気持ちや欲しいモノはわからないし、不要なプレゼントは渡したくないので、一緒に買いに行く。相手が欲しいモノを相手が選ぶことが、最も経済合理的である。
自分が相手に、プレゼントを渡すことはいい。相手が喜んでくれると嬉しい。しかし、相手からプレゼントはいらない。お金で買えるモノなら、ますますいらない。欲しいモノは自分で買えばいい。
他人の気持ちがわからないし、他人の気持ちを慮ることもない。他人に興味がないからこそ、経済合理的に行動できる。感情は経済合理性を欠く。

感情と運動

悲しいから泣くと考えがちだが、実は泣くから悲しいのだ。

まず、脳が察知して、先に「泣く」という行動が取られてから「悲しい」と感じる。意識よりも自分自身の末端神経の反応があってから、情動を認識する。

※情動 … 一時的で急激な感情の動き

熱いモノに触ったとき「熱い」と感じてから手を離すのではなく、手を離してから「熱い」と感じる。” 身体感覚がまず敏感に異変を感じ取り、その情動を後で認識する ” と考える理論である。

身体的変化の知覚こそが、情動の主体的経験である。
【本要約】ホモ・デウス〜テクノロジーとサピエンスの未来
テクノ人間至上主義は、人間をロボットのような意識のない存在へと造り替えるかもしれない。データ至上主義は、人間を単なるアルゴリズムとみなすことで、人間はデータを処理する存在として扱うかもしれない。

【表情と感情の実験】
ストローを縦に咥えると、ふくれ面になる。
ストローを横に咥えると、笑顔になる。
ストローを咥えて何かをした場合に、ストローを横に咥えたグループの方が、楽しむ傾向がある。

意識よりも先に、筋肉の動きが感情に影響を及ぼしていることを実感できる。

【感情と運動】

  • 粗い大まかな感情
    恐怖・嫌悪・喜び・悲しみ・恥・誇り
    →強い身体的反応を伴う
  • 繊細希薄な感情
    道徳的・知的・美的
    →身体的反応を伴わない

感情の評価

【情動】
身体反応 ( 生理的覚醒 ) の知覚
身体反応の原因の認知 ( 評価 )
※情動 … 一時的で急激な感情の動き

身体反応の知覚が情動ではなく、身体反応の知覚を感情の質としてどう認知・解釈するかによって、その感情のラベルが異なる。

同じ心臓のドキドキでも、好きな人と会うドキドキと、怖い思いをした時のドキドキは違う。

感情と行動

  1. 身体反応によって、感情が生み出される。
  2. 感情の大部分は無意識に自動的に生じている。
  3. 感情の一部だけを、私たちが実際に意識している。

脳は、内臓・自律神経系・身体上の緊張や姿勢を、常に監視している。身体に何か異変が起きていないかチェックしている。末梢神経からの生理的変化の情報を脳が受け取って、主観として認識する。

脳が生理的変化からの情報を認識した後、自分が情報を意識し確認して、感情を決定する

悲しいから泣くというように、認知システムが先にあって、その後に情動が湧き上がると捉えられがちである。その背景には、知識が身体の知覚を変化させることがある。「悲しいときには涙が出る」という知識があって、涙を流して泣く、悲しいという流れである。

感情と脳

感情

【人間の基本的な6つの感情】
幸福・驚き・悲しみ・恐れ・嫌悪・怒り

人種や文化を超えて共通性が認められる。
目の不自由な人々も、健常者と同様の表情で感情を表す。

【脳の4つの層】
原始脳・情動脳・社会脳・知性脳
原始脳

飲んだり食べたりといった生きるために必要な行動を発現する快・不快の情動

情動脳

喜び・愛情・恐れ・怒り・嫌悪という反応する情動

  • 喜び … 人が生きていく原動力
  • 愛情 … 人の繁栄
  • 恐れ … 敵の危機への防御
  • 怒り … 食べ物を得るための戦闘
  • 嫌悪 … 身体に害を及ぼす食べ物や病原菌から身体を防御
社会脳
  • 他人と協力して群れるという集団能力
  • 顔を記憶する
  • 表情に応答する

愛情・親しみ・依存・笑い・憎しみ・憎悪・嫉妬などの複雑な社会的感情

社会的感情によって、問題解決能力・対人関係の認知・長期記憶・表情認識などの社会的知性とともに、利己的行動や向社会的行動といった行動を取れるようになった。

  • 利己的行動 … 駆け引き・裏切り・巧妙な企み
  • 向社会的行動 … 怪我人や困っている人を助ける
知性脳

共感・道徳的な感情・未来への不安や喜び・やりがい・想像する喜び・未知への探究心・好奇心・創造する喜び

知的好奇心が学習意欲につながり、知らないことを知りたいという意欲が行動を起こすことにつながる。

感情と言葉

感情の認識には、身体の動きや表情の他にも、言葉がある。感情を意識するために言葉への置き換えが必要である。

嬉しい・悲しいといった感情を表す言葉や概念を持たなかったら、複雑なコミュニケーションは取ることは難しい。

他人に気持ちを伝え理解してもらったり、自分の気持ちを受け止めるためには、気持ちを表す言葉の知識が必要である。

こころの知能指数の中で、IQに代わってEQという概念が登場した。

【EQの理論】

  • 感情の識別能力
    自分がどのように感じているかを知覚して識別する
  • 感情の利用能力
    状況判断や課題達成のために自分の感情をコントロールする
  • 感情の理解能力
    感情がなぜ生じてどのように変化するのかを理解する
  • 感情の調整能力
    他者に働きかけるため自分の感情をコントロールする

感情と脳と行動

  1. 脳が身体的反応を予測
  2. 脳が身体的運動を命令
  3. 脳が身体的反応を認識
  4. 自分が身体的反応の情報を意識
  5. 自分が身体的反応の情報を確認
  6. 自分が感情を決定
【本要約】感情とはそもそも何なのか?
脳の身体 ( 内臓 ) 状態の予測誤差と、視覚・聴覚・触覚などの感覚が統合されて、感情が生まれる。

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