【本要約】反応しない練習
2022/3/23
【 準備体操 】

どんなものでも問題にしてしまう問題視 [ 反応 ] という日常的な癖に気付き、それを減らしていくことだ。
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① そもそも思考とは「 問題を解決すること 」において優れた効力を発揮する。
生きるための道具である。
② それゆえに、思考は問題を与えられれば、すぐに飛びかかって働きはじめる。
問題は思考の餌であり、次の思考を生み出す原動力となる。
③ 逆にいうと、考えるべき問題がなければ、思考は道具としての存在価値をなくし、働きようがなくなる。
④ 思考を止めたければ、今、自分の身に起きている思考や感覚を問題視せずに、ただ眺めてスルーし、思考を生み出す元となっている考えるべき問題を減らしていく。
⑤ そうして、次の思考が生み出されるキッカケを減らしていくことがポイントである。
悩みの解消
- 悩みは消すことができる。
悩みは消す方法がある。
生きることには苦しみが伴う。
苦しみには原因がある。
- 苦しみは取り除くことができる。
苦しみを取り除く方法がある。
すべての悩みは、たった一つのことから始まっている。
後は、正しく考える事で、どんな悩みも必ず解消できる。
- 朝の通勤ラッシュ:心を憂鬱にさせる反応
- 相手の態度にイラつく:怒りを生む反応
- プレゼンでマイナス思考になる:不安を生み出す反応
その結果として、イライラや不安や後悔などの悩みが生まれる。
悩みの始まりには、心の反応がある。
つい心が動いてしまう事、それが悩みを作り出しているたった一つのことである。
過去に後悔しない、未来に不安を感じない。
心が軽くなり、幸せが近づく。
我慢するのではなく、悩みが増えるようなムダな反応を、最初からしない。
ブッダの教えとは、心のムダな反応を止めることで、一切の悩み・苦しみを抜ける方法である。
悩みの理解
悩みの原因
反応する前にまず理解する。
悩みなくそうとしない、悩みを理解する。
② 悩みには理由がある
③ 悩みには解決策がある
「 悩みがある 」という現実を見据えて、その原因を理解して「 解決への方法を実践しよう 」という、処方箋である。
人はなぜ、執着を手放せないのか?
- 執着以前に、悩みを作り出しているものが、心の反応である。
- 心の反応によって悩みを作り出してしまい、執着してしまうのである。
- 人は悩みに直面したとき、つい反応して「 戦おう 」としてしまう。
- しかし、戦って勝てることは、人生には、ほとんどない。
- 2500年前にブッダが悟った「 人生は苦しみである 」という現実は、永久普遍の真理である。
- この現実は「 戦う 」という発想では、乗り越えることはできない。
ブッダ
・生存欲
・睡眠欲
・食欲
・性欲
・怠惰欲
・感楽欲
・承認欲
① 求める心
①’ 七大欲求
② 欲求によって反応する
③ 欲求を満たす喜び
③’ 欲求が満たされない不満
心とは求め続けるもの、求めても満たされるとは限らない、それゆえに渇き続けるものだと、理解しておく。
動物にはない承認欲が、現代の人間たちの最大のテーマである。
自分を認めて欲しい。
注目して欲しい、評価して欲しい、愛して欲しい。
この欲求で、外の世界に接すると「 周りは期待に応えてくれない人間ばかり 」だから、不満になる。
心の理解
ブッダ
- 正しく理解すること、正しい理解こそが、人生の苦悩を解く一番の強力な智慧なのだ。
- 正しく理解するためには、心の状態をきちんと見る。心の状態を見る習慣を付ける。
① 心の状態を言葉で確認
② 体の感覚を意識
③ 頭の中を分類
① 心の状態を言葉で確認
心の状態を言葉で確認する方法は、目をつむって「 今、自分の心は、どんな状態だろう?」と意識する。自分の心の状態に、ラベリングすることで、客観的に理解する。
日常の動作にも、ラベリングをすることで、心の状態、体の動作を、客観的に言葉で確かめる習慣を身に付ける。
② 体の感覚を意識
カラダの感覚を見つめるように心がけていると、感覚を意識することの意味がわかってくる。呼吸しながら、お腹の膨らみ縮みや、鼻先を出入りする空気の感覚を感じとる。
③ 頭の中を分類
■ 貪欲
■ 怒り
■ 妄想
■ 貪欲
過剰な欲求に駆られている状態である、求め過ぎ、期待し過ぎ。
人間間隙 ( かんげき ) を巡る不満は、求め過ぎる心から来ている。
■ 怒り
不満・不快を感じている状態である。
「 私は怒りを感じている、でも、この怒りは、求める心が作り出している 」
何かを失った悲しみを抱えている、悲しみも怒りの一種である。
怒りを放っておくのは、人生を損している。
怒りは「 理解する 」という心の習慣によって解消できる。
■ 妄想
・妄想は、人間が最も得意で大好きで、一日中絶え間なく繰り広げている、煩悩である。
妄想は、リセットすることが一番である。
妄想をリセットする基本は、今、妄想しているとラベリングすることだ。ただ、妄想は、無意識のうちにハマってしまっているものだから、妄想に気付くのは容易ではない。妄想を抜けるためには、妄想状態と妄想以外の状態を区別する。
目を閉じて、しばらくしてから開ける。
脳裏に浮かんでいたのが妄想で、今、意識して見ているのが現実である。
■ 三大煩悩
悩みはいつも、心の内側に生じる。
だから、悩みを抜けるには心の外側にあるカラダの感覚に意識を向けることがベストだ。
三大煩悩は、心の状態を理解するためのツールである。
判断
人が悩んでしまう理由の一つは、判断し過ぎる心にある。
判断とは、自分の決めつけや思い込みのことである。
判断が、不満や憂鬱や心配事など、悩みを作り出す。
私たちが、判断してしまうのは、判断すること自体が気持ちいいからだ。
判断することで、わかった気になる。
結論が出せた気がして、安心できる。
狩猟採集時代の「 ここにはエサがある 」「 ここは危険だ 」といった状況判断の名残り、本能なのかもしれない。
判断する心には「 わかった気になれる快 」と「 自分ら正しいと思える ( 承認欲を満たせる ) 快 」がある。だから、みんな、判断することに夢中である。
- 判断 ( 思い込み ) が、自分への怒りを生む。
- 判断が、執着となって、自分を苦しめる。
① 求めるものを得たいという執着 ( だがかなわない )
② 手にしたものがいつまでも続くようにという執着 ( やがて必ず失われる )
③ 苦痛となっている物事を失くしたいという執着 ( だが思い通りには失くならない )
仏陀
感情
感情に関する悩みは尽きない。
① 相手への反応
不快な感情を生まれるのを防ぐ。
湧いてしまった感情は早めにリセットする。
② 相手との関係
相手とどう関わるか考える。
①と②の2つをごちゃ混ぜにしているから、問題が解決しない。2つを別問題とすることで解決する。
① 相手への反応
相手に反応して心を乱されることは無意味であるから、決して反応しない。
正しさは、人それぞれに違うものだ。
「 正しい 」という判断は、本人にとっては間違いなく正しいのだから、相手の言い分は否定しない。説得もしない。「 あなたにとっては、それが正しいんだ 」と理解する。
私と他人は考え方は100%異なる。相手は自分と同じ考えのはずと、心のどこかで期待してしまっている、その思い込みは妄想でしかない。
異なる意見をぶつけられると、自分自身が否定された気がして怒りで反応してしまう、自信がない人ほど怒りやすい。
② 相手との関係
相手にどんな心を向けるか?
■ 相手のことを判断しない
■ 相手との過去は忘れる
■ 相手を新しい人と考える
■ 相手のことを判断しない
しなくていい判断はしないほうがいい。判断には、様々なマイナスがある。
相手が身近で、大切な人ほど、余計な判断はしない。
■ 相手との過去は忘れる
「 過去を引きずる 」というのは、記憶に反応している状態である。
相手と言い争ったときの怒りの対象は相手である。でも、その場を離れても相手のことが頭から離れず、イライラしているならば、その原因は相手ではない。自分の中の記憶である。過去を思い出して記憶に反応して、新しい怒りを生んでいる。いつまでも怒りが消えない本当の理由である。その怒りに実は相手は関係ない。相手と別れても怒りが収まらないときは、これはただの記憶に、反応している自分がいるだけ ( 相手はいない ) と理解する。
■ 相手を新しい人と考える
心は一日に7万個の想念を思い浮かべる。約1.2秒で1個の思いである。心というのは、それくらい移ろいゆく。
同じ人でも、別人である。
心が変わっているから、別人である。
自分自身さえ、心は、コロコロと変わり続けている。
相手も同じだ。
相手は常に新しい人である。
相手への偏見は自分の執着である。
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