【本要約】旅の効用〜人はなぜ移動するのか

【本要約】旅の効用〜人はなぜ移動するのか

2021/10/20

なぜ私たちは旅をするのか?

旅は私たちがホモサピエンスであることと関連がある。好奇心だ。無用な知識を求めて努力し、知恵を拡大し、視野を広げ、世界像を拡大し、混沌を整理し、秩序を確保しようという意思である。

旅は、私たちが親しんでいる世界とは異なる世界を体験するためにある。例え現代的でなく貧しくても、旅では幸福な生活を送ることができる。貧困と不幸は違うのだ。

モノがなければ、「モノを持たなければいけない」と考えることもないし、モノを持って喜ぶこともない、そもそも、「モノが欲しい」とさえ思えない。旅には、モノのことを考えないでいい生活がある。モノは、いつか壊れて失われる。

旅には、昨日のことを悔いない生活、そして、明日がどうなるか心配しない生活、いつも、今、ここだけが大切な生活がある。

旅は、心身にとって快適だ。それに反して、長い間、定住したり定義的な仕事をしたりして単調化生活を送るようになると、脳は疲れるし、不満を覚える。

異郷に旅するのは自分を見つめるためだ。

  • 異文化の中に入って初めて、自分を見つめることができる。
  • 異文化に触れることによって、「自分が何者か、自分がどこから来たのか」を理解する。
  • 異文化の人たちから「奇妙だ」と思われることによって、自分の自画像が正確になっていく。旅は鏡のようなモノである。

旅には遺伝子がある。

  • 大きなリスクを冒したり、新たな環境を探したりする遺伝子だ。
  • 全人類の2割が持っているDRD4-7Rという遺伝子だ。
  • この遺伝子は、旅行熱だけでなく、好奇心・意欲・新たなアイデア・飲食・セックス・ドラッグに手を出す原因にもなる。
何かから離れるために旅をしているのではなく、何か新しいことに近づくために旅をしている。

旅を楽しむためには、母国が幸せな状態にあることが前提となる。帰国は、長旅の終焉のプロセスであり、重要である。母国での生活が安全基地の役割を果たすから、外国の異常な状況下でも、安心していられる。

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